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PhRMA 医薬品コスト論議は価値全体を見るべき

公開日時 2014/06/18 03:50

米国では、薬価の高い新規C型肝炎治療薬や抗がん剤に批判が高まっているなか、米国研究製薬工業協会(PhRMA)のJohn Castellani会長兼CEOは5月29日、薬剤の費用ばかりに焦点を当てるのではなく、薬剤の価値全体に注意を払うべきとする内容の声明を発表した。


Castellani会長兼CEOは、「医薬品が患者やヘルスケアシステム全体にもたらす価値を全く無視して、新薬の価格のみに焦点を当てることは安物買いの銭失いに等しい」と医療費削減を目的として薬価問題だけに的を絞ることを批判したうえで、「C型肝炎を治癒することは、患者の生活をドラスティックに改善するばかりでなく、経費のかかる入院を減少させることやおよそ50万ドルかかる多くの肝移植を回避させることで年間90億ドルを節減させる可能性を持つ」とC型肝炎治療薬の薬価が高いとの批判をかわした。


さらに同会長兼CEOは、「健康の改善や経費の節減に貢献する新薬について、処方せん薬の経費は少なく、かつ、医療費上昇の少ない部分を占めるだけにもかかわらず、それとは反対の事実が主張されるのは、しばしば、処方せん薬についての事実が公の議論の場で無視されているからだ」と述べ、事実とは異なる議論が進行しているという考えを示した。


Castellani会長兼CEOは、患者に処方せん薬の自己負担分をますます拡大させようという時代遅れの保険モデルを我々が持っているという事実が新薬のコストへの関心の高めているとし、保険者が、高い入院費を保険でカバーする一方で、患者が必要な医薬品についての自己負担をかつてなく求めるなどし、必要な医療の妨げともなっている実態を指摘した。


そのうえで、同会長兼CEOは、「米国は、患者を保護し、新薬開発にインセンティブを与えることができる、持続可能な21世紀のヘルスケアシステムを作ることができるか幅広い議論が必要だ」と提言した。


さらに、処方せん薬のコストは高くないという以下の点を挙げ、その認知向上を訴えた。


*2008年から2012年の間に処方せん薬のコストの伸長率は医療費全体の僅か5%を占めているに過ぎない。
*2012年の処方せん薬の小売り段階(調剤薬局)の経費は医療費1ドル当たり僅か9セントである。過去5年間で、処方せん薬の薬剤費は平均年3.3%伸びたが、IMSヘルスの予測によると、今後、この伸びは医療費全体の伸びよりも緩やかとなる。
*2013年に米国における処方せんの86%はジェネリック医薬品を調剤した。
*患者(診療所)は現在、処方せん薬に対して平均20%程度の自己負担をしている。一方、病院医療では外来患者は4%、入院患者は7%の自己負担に過ぎない。
*オバマヘルスケア改革で設置された保険交換所の保険で給付される患者の多くは、典型的な従業員保険で給付される患者よりも2倍以上の自己負担が求められている。


 

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