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14年4-6月の国内医療用医薬品市場 2.5%縮小 薬価改定影響や仮需の反動で IMS調べ

公開日時 2014/08/07 03:52

IMSジャパンは8月6日、2014年第2四半期(4~6月)の国内医療用医薬品市場が薬価ベースで2兆3891億9700万円、前年同期比2.5%減だったと発表した。消費税引き上げ分を含む薬価ベースで2.65%の引き下げとなった新薬価のもとでの最初の四半期の売上データとなる。四半期ベースでマイナス成長は12年第3四半期(7~9月)以来という。売上上位10製品をみると、売上トップはこれまでと変わらず抗血栓症薬プラビックスで売上272億700万円だが、前年同期比では8.2%減。一方で、PPIネキシウムがトップ10入りし、売上190億4200万円、44.8%増となり、PPIを含む制酸薬・鼓腸・潰瘍治療薬市場で初めて売上首位にたった。

プラビックスは4月に新薬創出・適応外薬解消等促進加算が適用されたが、前年同期と比べて減収となった。薬価をほぼ据え置く新薬創出加算品目では消費税引き上げによって新薬価が2~3%程度上がる。同加算品目の中には1~3月に駆け込み需要(=いわゆる「仮需」)があったものもあり、プラビックスでも仮需の反動が4~6月に出たものとみられる。新薬創出加算品目で4~6月に減収となった製品には抗凝固薬プラザキサ(11.7%減)もある。

◎抗腫瘍薬、糖尿病治療薬、免疫抑制薬で市場成長

国内市場を詳細にみると、100床以上の病院市場が9591億5600万円(前年同期比1.7%減)、99床以下の開業医市場が4960億2900万円(8.9%減)、主に調剤薬局で構成する「薬局その他」が9340億1300万円(0.3%増)――となっている。

売上上位10薬効を見てみると、プラス成長した市場は抗腫瘍薬、糖尿病治療薬、免疫抑制薬の3薬効となる。抗腫瘍薬市場は売上1833億5600万円(2.6%増)で薬効別での最大市場となる。分子標的薬が引き続き市場をけん引しており、同市場での製品売上トップ、医療用医薬品全体の売上ランキングでも第2位のアバスチンは売上244億3500万円(6.7%増)だった。分子標的薬ではベルケイド(9.8%増、武田売上分)、スプリセル(14.6%増)、タルセバ(20.0%増)がいずれも売上げを大きく伸ばしている。

糖尿病治療薬市場では、DPP-4阻害薬に市場拡大再算定が適用されて同阻害薬の薬価が各々10%程度引き下げられたが、市場自体は売上1234億1500万円(9.7%増)に成長した。この市場規模は薬効別で第3位となる。

再算定を受けてもDPP-4阻害薬が市場をけん引しており、DPP-4阻害薬エクア(23.9%増)、同ネシーナ(20.9%増)、同トラゼンタ(104.6%増)が再算定の影響を吸収するほど処方量を大きく伸ばした。糖尿病治療薬市場の売上トップ製品で、医療用医薬品全体の売上ランキングでも7位にランクインしているDPP-4阻害薬ジャヌビアは売上193億1700万円(7.8%減)と減収だった。ジャヌビアはファーストインクラスの製品。ジャヌビアと同一成分のグラクティブも10.8%の減収となっており、DPP-4阻害薬の激しい市場競争が見て取れる。

免疫抑制薬市場は売上837億9800万円(2.6%増)で、薬効別では第7位の規模となる。同市場で売上トップのレミケードなどに市場拡大再算定が適用され、レミケードをはじめとする売上上位3製品が減収となったが、市場自体は成長した。なお、レミケードの売上は218億8400万円(3.2%減)で、医療用医薬品全体の売上ランキングで第5位だった。

◎RA系作用薬市場 売上トップのブロプレスにオルメテック肉薄 その差は5億円弱

上位10薬効のうち前年同期と比較してマイナス成長だったのは、▽レニン‐アンジオテンシン(RA)系作用薬(1593億6300万円、4.0%減、薬効別ランキングで第2位)▽抗血栓症薬(1019億1300万円、1.8%減、第4位)▽脂質調整薬及び動脈硬化用薬(988億5400万円、8.6%減、第5位)▽制酸薬、鼓腸、潰瘍治療薬(984億9900万円、6.6%減、第6位)▽全身性抗菌薬(787億8600万円、10.4%減、第8位)▽喘息及びCOPD治療薬(740億1300万円、4.6%減、第9位)▽向精神薬(710億1500万円、11.4%減、第10位)――。

このうちRA系作用薬で売上を伸ばした主な製品はARBオルメテック(5.8%増)、同アジルバ(178.1%増)、ARBとCCBの配合剤であるミカムロ(18.0%増)――。オルメテックは医療用薬品全体の売上ランキングの第4位で、売上は228億7800万円だった。

一方、売上減となった主な製品はARBブロプレス(14.5%減)、同ディオバン(33.6%減)――。ブロプレスは売上233億5800万円で、RA系作用薬で売上トップ、医療用医薬品全体の売上ランキングでも第3位だが、オルメテックとの売上差が5億円を切るまで肉薄されている。医療用医薬品全体の売上ランキングトップ10の常連だったディオバンは今回圏外のため、売上は開示されていない。

 
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