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選定療養対象の長期収載品 対象品の48%で2ケタの薬価引下げ、25年度改定で 11品目は20%超引下げ

公開日時 2025/03/14 04:52
2025年4月1日から選定療養の対象になる長期収載品1006品目のうち、4月の薬価改定で48%にあたる485品目が2ケタの薬価引下げを受けることがわかった。このうち11品目は20%を超える引下げを受け、ジャドニュ顆粒分包90mg(製造販売元:ノバルティスファーマ)は最大となる25.8%の引下げになることを確認した。長期収載品の選定療養化では、後発品の更なる使用促進だけでなく、選定療養対象の長期収載品のほぼ半数が薬価の2ケタ引下げを受けることから、トータルでみて特許切れ市場における薬剤費の圧縮がより進むとみられる。

文末の「関連ファイル」に、4月から選定療養の対象となる長期収載品全リスト(新薬価、改定率、後発品との価格差の4分の1等)や、企業別の対象品目数ランキング、4月から選定療養の対象外になる品目リスト――を掲載しました。会員のみダウンロードできます(無料トライアルはこちら)。

◎81品目で薬価引上げ、全体の8% 多くが最低薬価品 小児用ムコソルバンDSはプラス49.5%

ミクス編集部は、厚労省が3月7日に公表した、4月1日から選定療養の対象になる長期収載品1006品目のリストを集計・分析した。

その結果、25年度薬価改定で81品目がプラス改定となり、うち80品目は最低薬価品として2.3%~3.8%の薬価引上げを受けることを確認した。ただ、プラス改定の品目数は選定療養対象の長期収載品の8%にとどまる。引上げ率1位は小児用ムコソルバンDS1.5%(帝人ファーマ)のプラス49.5%で、不採算品再算定の適用による引上げとなる。小児用ムコソルバンDS1.5%は今回から新たに選定療養の対象になった。

◎20%以上薬価引下げ イルベタン錠200mg、ミカルディス錠80mg、パリエット錠20mgなど

選定療養対象の長期収載品のうち、薬価が据え置かれるのは58品目、薬価の引下げを受けるのは867品目となる。

薬価の引下げを受ける品目のうち485品目は10%以上の薬価の引下げとなる。このなかにはノルバスク(ヴィアトリス製薬)、アムロジン(住友ファーマ)、ディオバン(ノバルティスファーマ)、オルメテック(第一三共)、アリセプト(エーザイ)、クレストール(アストラゼネカ)、リリカ(ヴィアトリス製薬)――など一時代を築いた製品が多くある。長期収載品は実勢価改定のほか、G1/G2/Cなど様々な薬価引下げルールがあり、市場競争だけで2ケタの薬価引下げとなるわけではないことに留意が必要だ。

485品目のうち11品目は20%以上の薬価引下げを受ける。具体的には、▽ジャドニュ顆粒分包90mg(ノバルティスファーマ、25.8%引下げ)、▽イルベタン錠200mg(シオノギファーマ、22.9%引下げ)、▽ミカルディス錠80mg(日本ベーリンガーインゲルハイム、22.3%引下げ)、▽ジャドニュ顆粒分包360mg(ノバルティスファーマ、22.0%引下げ)、▽ミラペックスLA錠0.375mg(日本ベーリンガーインゲルハイム、21.8%引下げ)、▽ディナゲストOD錠1mg(持田製薬、21.3%引下げ)、▽ディナゲスト錠1mg(持田製薬、21.3%引下げ)、▽レキップCR錠8mg(グラクソ・スミスクライン、20.9%引下げ)、▽ストラテラカプセル5mg(日本イーライリリー、20.9%引下げ)、▽ルボックス錠75(アッヴィ、20.6%引下げ)、▽パリエット錠20mg(エーザイ、20.5%引下げ)――となる。

◎30成分43品目 新たに選定療養の対象に

選定療養の対象となる長期収載品は、▽後発品が初めて収載されてから5年を経過した品目、又は5年を経過しない品目でも後発品置換え率が50%以上のもの、▽最も薬価が高い後発品の薬価を超えていること――が要件となる。薬価の比較は組成、規格、剤形ごとに判断される。

今回、新たに選定療養の対象になった長期収載品は、ロキソニン錠60mg(第一三共)やトラマールOD錠25mg/50mg(日本新薬)、トレリーフOD錠25mg/50mg(住友ファーマ)、セララ錠25mg/50mg/100mg(ヴィアトリス製薬)、アトーゼット配合錠LD/HD(オルガノン)、ジュリナ錠0.5mg(バイエル薬品)、ノベルジン顆粒5%及びノベルジン錠25mg/50mg(ノーベルファーマ)、エルカルチンFF錠100mg/250mg(大塚製薬)、パルミコート吸入液0.25mg/0.5mg(アストラゼネカ)――など計30成分43品目となる。

このうちノベルジン顆粒5%の後発品は24年6月に収載された。同年9月の薬価調査までの3カ月間に後発品への置換え率が50%以上へと急速に進んだようだ。ノベルジン顆粒5%はダイトのAGと沢井製薬の通常の後発品が発売された。

また、トレリーフOD錠25mg/50mg、ベプリコール錠50mg/100mgの後発品はそれぞれ23年12月収載――、セララ錠25mg/50mg/100mg、アトーゼット配合錠LD/HD、ジュリナ錠0.5mg、ノベルジン錠25mg/50mgの後発品はそれぞれ23年6月収載――だった。なお、トレリーフOD錠は23年12月に住友ファーマプロモのAG、24年6月に通常の後発品が収載された。これら23年に後発品が収載された長期収載品も、後発品登場から1年前後で後発品置換え率が50%以上にまで一気に進んだといえる。

◎4月から選定療養の対象から外れる長期収載品は134品目 一部の規格だけ除外も

ミクスの集計では、4月から選定療養の対象から外れる長期収載品は134品目あることがわかった。当該製品の全規格が選定療養から外れるものもあれば、一部の規格だけ外れるものがあった。

例えばアレグラ錠(サノフィ)やタケプロン(武田テバ薬品)は今回、全規格が選定療養から外れる。

一方で、ムコダイン(杏林製薬)は、錠剤250mg/500mgは選定療養から外れるが、シロップ5%及びDS50%は選定療養の対象のまま。ティーエスワン(大鵬薬品)も顆粒剤の2規格は選定療養から外れるが、OD錠やカプセル剤は選定療養のままで、このような一部の規格だけ外れるものが散見された。

◎企業別の選定療養対象長期品数 1位タイにヴィアトリス製薬と田辺三菱製薬 3位は住友ファーマ

企業別に選定療養対象の長期収載品を集計したところ、品目数の上位10社は、1位タイはヴィアトリス製薬(19成分46品目)と田辺三菱製薬(20成分46品目)、3位は住友ファーマ(16成分42品目)、4位タイがエーザイ(18成分34品目)とノバルティスファーマ(16成分34品目)、6位は武田テバ薬品(13成分30品目)、7位タイはオルガノン(12成分28品目)と第一三共(10成分28品目)、9位は大塚製薬(10成分27品目)、10位タイが協和キリン(9成分23品目)とグラクソ・スミスクライン(12成分23品目)――となった。
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