【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

ファイザー 有望皮膚炎治療薬を持つ米Anacorを52億ドルで買収

公開日時 2016/05/20 03:50

米ファイザー社は5月16日、米Anacor Pharmaceuticals社(本社:カリフォルニア州パロアルト)と、ファイザーがAnacor社を買収することで合意したと発表した。ファイザー社がAnacor社の株式1株当たり99.25ドルで取得、ファイザーによる買収総額は52億ドルとなる。両社の取締役会は満場一致でこの買収に賛成した。


Anacorは、アトピー性皮膚炎治療薬(非ステロイド系抗炎症剤の局所PDE-4阻害剤)crisaboroleの開発を終了、現在、米FDAによる承認審査中である。同剤はフェーズIII試験で、良好な成績を示しており、FDAの審査終了予定日(PDUFAデート)は、2017年7月7日である。現在申請中の適応症は、軽度から中等度のアトピー性皮膚炎である。ファイザー社は今回の買収に当たり同製品に狙いを定めたようで、ピーク時売上は20億ドルかそれ以上と想定している。Anacorは、2014年7月に足指の爪甲真菌症治療薬Kerydin(tavaborole)を同社の初製品として承認取得している。現在、米国ではスイス・ノバルティスの子会社Sandozが同剤を販売している。

ファイザー社のAlbert Bourla氏(Global Innovative Pharma/Global Vaccine/Oncology/Consumer Healthcare部門長)は、「我々は、Anacor社の買収により、現在安全な局所治療薬が少ししかない軽度から中等度のアトピー性皮膚炎に悩む多数の患者のアンメットメディカルニーズに対応できる魅力的な機会を作れることになる」と述べた。

その上で、「crisaboroleは、説得力あるデータを持つ差別化されたアセット(製品資産)である。承認されれば、患者および処方する医師にとって重要なファーストライン治療になる可能性をもつ」と期待感を示した。さらに同氏は、同社買収により関節リウマチ治療薬Enbrelや同Xeljanzなどを持つファイザーの炎症・免疫領域を強化が図られ、イノバティブ医薬品事業における近未来の収入増が期待出来るとの考えを示した。

Ancaor社のPaul L Berns CEOは、「本日は、Anacor社の新たな1章を開く記念すべき日だ。我々はこの統合が株主に重要な価値を提供すると信じる」と株主にとってもメリットを与えられると自信を示した。ファイザーとの統合により、Anacor社にグローバルなプラットフォームとリソースが与えられることにより、その重要な使命に役立つことになるとの考えを示した。

ファイザーは4月6日に、米財務省によるタックスインバージョン(課税地移転=租税回避)に対する規制強化によりアイルランド・アラガン社の買収を断念したばかりだが、その時点でも、同社Ian Read会長兼CEOは、イノバティブ製品価値の向上にビジネス機会拡大の方針を明らかにしていたが、早速、アラガン社買収総額(想定)1600億ドルに比べるとはるかに小規模なものの、買収に動き、積極的な成長方針に変化はない姿勢を見せた。

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(0)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー