本コラムで以前紹介したヘルスＩＴベンチャーのZenefit社（サンフランシスコ）がCラウンドの資金調達で500ミリオンドルの投資を集め、4.5ビリオンドルの評価額をつけ、大きな話題となっている。（ジャーナリスト　西村由美子）

2013年の創業からわずか2年。企業向けにオンライン医療保険販売サイトを無償提供することからスタート（Zenefit社はクライアントにはシステムを無償で提供し、保険会社の売り上げからコミッションを受け取るビジネスモデル）し、あっという間に従業員向け福利厚生のワンストップ・包括マネジメント・サービスに発展した。

創業者のParker Conradはハーバード大学卒の35歳。自身の闘病経験から医療保険制度に関心を持ち、折しも成立した オバマの医療改革法2000余ページを精読。オバマケアによる医療保険オンライン販売の開始で米国の医療保険業界の従来のブローカー販売方式は瓦解し、急激な構造改革がおこると予見。すぐに全米50州の医療保険販売ブローカーの資格を取得して、医療保険会社のために企業向けオンライン医療保険販売システムを提供するビジネスを創出した。