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楽天メディカル ヘルスケア産業に本格参入 画像認識技術や事業推進力が武器に

公開日時 2019/07/02 03:52
楽天メディカル社(本社:米国カリフォルニア州 サンマテオ)は7月1日、東京都庁から第一種医薬品製造販売業、および第一種医療機器製造販売業の業許可を取得したと発表した。許可は5月31日付。同社の三木谷浩史会長兼最高経営責任者は同日、記者説明会を開き、「研究開発、治療法開発、商業までを一気通貫する総合的なバイオベンチャー目指す」と意気込んだ。事業の柱に据えているのは、光を当ててがん細胞を破壊する光免疫療法の確立。楽天グループのデータ分析や画像認識などの技術力、資金力も含めた事業推進力を強みに、本格的にヘルスケアビジネスに乗り出した。

同社は、2011年に創立し、世界5か国に8拠点を構えるバイオテクノロジー企業だ。同社が注力するのは、抗体によりがん細胞を選択的に標的化したうえで、レーザーによってがん細胞を壊死させる光免疫療法の開発を進める。4月には、頭頚部がんを対象としたがん光免疫療法薬「ASP-1929」が、厚生労働省の先駆け審査指定制度の対象品目に指定された。

三木谷社長は、光免疫療法を生物学とナノケミストリーと光工学から生まれたイノベーションだと説明。グーグルやアップルを引き合いに、「AI(人工知能)やIoTなどの科学技術と医療技術は急速に近づきつつある」としたうえで、「今後はがん、いろんなデータ、画像認識をつかうことで発展性がきわめて高いのではないか」との見方を示した。バイオベンチャーからのスタートになるが、開発後期で大手製薬企業にシーズを売却するモデルではなく、商業化まで一気通貫のビジネスモデル構築を目指す。

光免疫療法については、「手術・放射線治療・化学療法・免疫療法に次ぐ第5の治療法と考えている」と意義を強調。頭頚部扁平上皮がんの患者を対象にした第2a相臨床試験について、「全奏効率は43%で、有害事象も限定的。全般的に良好な忍容性だった」と紹介した。ミゲル・ガルシア・グズマンCSOも「試験で対象としているのは終末期の患者のため、43%は高い値だ」と強調した。

現在は頭頚部がん・食道がんを中心に開発を進めており、今後、EGFRを発現するがんを中心に適応拡大を目指す考え。そのうえで、抗体の変更や医療機器の追加開発によって、さらなる適応拡大も視野に入れる。

三木谷氏は、「がん治療の国内の仕組み、世界的な仕組みのディスラプション(破壊的イノベーション)が行えるといい。(治療法を)国や貧富の差など隔たりなく、多くの患者に届けるために頑張っていきたい」と意気込んだ。そのうえで「将来的に楽天グループがたどってきたような軌跡をたどれれば」と述べ、世界的なヘルスケアカンパニーへの成長を目指す考えを示した。



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