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アクテリオン アクティビスト株主のあとは競争と課題相次ぐ

公開日時 2011/11/11 04:00

スイスのバイオテク企業、アクテリオンは、アクティビスト株主であるElliot Adviserからの役員派遣を躱し、そのコントロールから逃れることが出来たようだが、今度は、主力品の競争にさらされることになる。同社の最有力製品Tracleer(ボセンタン)の競合品であるギリアード・サイエンシズのLetairis(アンブリセンタン)が2011年3月に肝機能についての枠組み警告を除外され、一定の患者における月1回の肝機能検査を求められない唯一のエンドセリン受容体拮抗剤となり、かなり優位な立場に立ったため、アクテリオンの得意とする肺高血圧症(PAH)領域が脅かされる格好となってきた。


アクテリオンは、この競争激化、スイスフラン高、旭化成とのRhoキナーゼ阻害剤ファスジルのライセンスをめぐる訴訟問題などの逆風で業績への影響が懸念されていた。そのため、2011年の第3四半期までの9か月で8560万スイスフラン(CHF)の営業損失を出したが驚くにあたらなかった。前年同期は4億2700万フランの営業利益に達していた。訴訟問題などを除外しても、Tracleerは2015年には特許切れを迎え、同社の吸入PAH治療薬Ventavis(iloprost)は米国で天井を打ち、比較的新しいPAH注射薬Veletri(epoprostenol)もTracleerの穴埋めには十分でないと言われる。


アクテリオンは、すでにTracleerの後継品と目される同じPAH治療薬macitentanに依存しすぎと指摘されている。フェーズIII試験を終了、結果は2012年上半期に発表される予定。同社では、フェーズII試験では、特発性肺線維症の良好な結果を示したと報告している。


同社はパイプライン充実を目的に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬olesoximeを持つTrophos SA(フランス)を買収するか否かの決定を今年12月までに行う計画だ。Trophosは、多発性硬化症(MS)治療薬の選択的S1P1受容体作動薬ponesimodも持つ。同剤は、ノバルティスのGilenya(fingolimod),と同一クラスの薬剤。同剤は2011年8月にフェーズIIb用量設定試験でプライマリーエンドポイントに達しており、2012年上半期には、フェーズIIIに入る予定。今後、6-8か月がアクテリオンの明るい将来を決める極めて重要な時期といわれ、注目されている。
 

(The Pink Sheet Daily 10月24日号より)  FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから

 


 

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