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骨太方針原案 創薬・先端医療を「成長経済の牽引役」に 官民投資拡大で健康医療安全保障を実現

公開日時 2026/07/01 06:56
政府は6月30日の経済財政諮問会議に経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)の原案を示した。高市内閣が掲げる“強い経済”実現に向けて、「成長戦略を強力に推進」し、民間からの投資を呼び込み、成長する姿勢を前面に打ち出した。「創薬・先端医療への官民投資を拡大し、健康医療安全保障を実現する」と明記。「創薬・先端医療を成長経済の牽引役」として、「研究開発力や製造・供給・流通体制の強化、スタートアップ支援、人材育成、先進医療の対象拡大、国際展開を総合的に推進する」とした。「全ゲノム解析やiPS細胞等を活用した再生・細胞医療・遺伝子治療、免疫治療、小児・希少疾病用や感染症対応の医薬品等の研究開発・生産等」を推進するとした。政府は与党調整を経て、7月中旬の閣議決定を目指す。

骨太方針原案には、「成長戦略を強力に推進する。同戦略に盛り込まれた全ての具体的施策を着実に実行に移し、大胆な官民投資を実現する」と表明。2027年度を「責任ある積極財政元年」に位置付け、「政府も一歩前に出て、事業者の予見可能性を高めるための複数年度にわたる大胆な措置を講じ、具体的な官民投資の実現と投資環境整備の具体化を進めていく」と明記した。

◎革新的新薬創出で総合的な施策推進を AIの利活用も 国際共同治験の倍増を目指す

17戦略分野の一つに位置付けられた「創薬・先端医療」については、「成長経済の牽引役」と明記。「研究開発力や製造・供給・流通体制の強化、スタートアップ支援、人材育成、先進医療の対象拡大、国際展開を総合的に推進する」とした。「創薬・医療機器開発へのAI利活用を推進する」ことも盛り込んだ。また、国際水準の治験・臨床試験体制を整備し、「国際共同治験の倍増を目指す」ことも明記した。

創薬・医療機器開発に向けて医療情報の二次利用もカギを握る中で、「医療情報化推進方針を策定し、医療機関の情報システムの刷新、サイバーセキュリティ対策を進め、電子カルテ・電子処方箋の普及と情報連携、医薬品等のデータベースの構築、公費負担医療や予防接種のデジタル化等、医療・介護に関する情報の連携と二次利用を含む利活用の基盤を構築し、切れ目なく最適なサービスを効率的に提供する」ことも盛り込まれた。

また、「革新的な医薬品・医療機器等の創出、諸外国の医薬品をめぐる政策の動きがある中でも必要な医薬品等が確実に上市される環境整備、特定重要物資の国産化」など政府としても環境整備を進め、安定供給、先端技術の実用化を目指すことも盛り込んだ。「産業構造改革の推進による後発医薬品等の安定供給を図る」ことも明記した。

◎27年度薬価改定「医薬品の画期性への初収載時における適切な評価や特許期間中の薬価の在り方」検討を

27年度薬価改定については、「創薬イノベーション、医薬品の安定供給と国民負担の軽減の観点」から「実施する」と明記した。「その際、費用対効果評価制度について、客観的な検証も踏まえ、制度の発展に向けた更なる見直しについて具体的な検討を進め、一定の結論を出す」ことも盛り込んだ。また、「我が国の医薬品市場の魅力を高める観点から、医薬品の画期性に対する初収載時における適切な評価や特許期間中の薬価の在り方を含め、革新的新薬のイノベーションの更なる評価について検討を進める」とした。なお、特許期間中の薬価の在り方として、脚注に「市場拡大再算定及び持続可能性特例価格調整等」と具体的に示した。

◎先行バイオの保険給付の在り方見直しを 地域フォーミュラリの全国展開も

OTC類似薬の保険給付についても言及。「27年度以降の対象範囲の拡大に向けた検討など、「改革工程」等に基づく取組を進める」ことも明記した。先行バイオ医薬品についても、「バイオ後続品の普及促進に向けた環境整備の状況を踏まえ、保険給付の在り方の見直しを検討する」とした。「長期処方やリフィル処方箋の活用、地域フォーミュラリの全国展開、休薬・減薬などの効果的・効率的な治療の促進等により、給付の効率化や適正化を図りつつ、質の高いサービスを提供する。セルフメディケーション推進の観点からの更なる医薬品・検査薬のスイッチOTC化に向けた実効的な方策の検討を行う」としている。

◎現役世代の保険料率引き下げへ 27年度の社会保障負担率「25年度より上昇しないように」

骨太方針では、「強い経済、持続可能な財政と、質の高い全世代型社会保障とを同時に実現する社会保障改革を強化する」と明記。「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくとの方針の下、給付と負担の見直しの検討、安心して必要なサービスを受けることのできる医療・介護提供体制の構築、DXやAI・ロボティクスの活用を通じたサービスの質の向上、攻めの予防医療等に取り組む」方針を掲げた。

現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくとの方針を実現するため、「マクロ的な社会保障負担率の目標について検討を進め、社会保障改革について、26年度中に改革の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する」ことも盛り込んだ。「経営情報の見える化を進め、経営実態を把握した上で、物価と賃金の変動に適切に対応し、経営の安定、処遇改善を図りつつ、社会保障制度改革を着実に実行する」と明記。脚注に「具体的には、社会保障関係費については、給付と負担の改革努力を継続しつつ、高齢化による増加分に相当する伸びに経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算する。また、2027年度の社会保障負担率が25年度と比較して上昇しないよう取り組む」ことも盛り込んだ。

焦点となっている高齢者の窓口負担の見直しについては、「医療保険制度では、高齢者の受診行動や所得状況等を踏まえた窓口負担の見直しについて令和9年度予算編成過程で結論を得る」との案を示した。現在、自民党と日本維新の会の与党社会保障協議体による社会保障制度改革で議論が進められている状況にあることから、今後与党との調整を進める。

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