バイエル薬品
公開日時 2002/05/22 23:00
22日、第66回日本循環器学会総会(4月24日)で発表されたCa拮抗剤ニフェジピン持効錠(製品名:アダラートL)による無作為長期前向き臨床試験JMIC(B)についてセミナーを開催。JMIC(B)は、冠動脈疾患を合併した日本人の高血圧症患者1836例を対象とし、心事故発生に対するニフェジピン持効錠の長期予後効果をACE阻害剤と比較したもの。患者登録は94~97年、観察期間は3年間。その結果、心事故発生率はニフェジピン群14.0%、ACE阻害剤群12.9%と差は見られず、同等であることが示された。 一方、サブ解析では、ニフェジピン群のほうが狭心症の発生率が有意に少なく、また副作用発現率もニフェジピン群9.1%、ACE阻害剤14.8%と有意に少なかった。試験結果を説明した由井芳樹・京都大学大学院医学研究科循環病態学教授は、高血圧症治療の最初に使う降圧剤について、「日本では160mmHg以上の患者には切れ味の良いCa拮抗剤から入ることがコンセンサスになっている」との見方を示した。