小野薬品 動物実験成績から糖尿病治療薬の治験中止
公開日時 2003/02/19 23:00
小野薬品工業は2月19日、開発中の糖尿病治療薬「ONO-5816」について、動物実験での成績から国内で行っていた前期第Ⅱ相臨床試験を中止したと発表した。サルを用いた1年間投与毒性試験で、眼の網膜と脳に病理組織学的変化が認められた。同社は、動物実験で得られたデータの分析を急ぐとともに、治験で投薬を受けた患者についてもデータの検証を並行して実施。今年中ごろをめどに、開発続行の是非について方針を決定する考え。同薬はインスリン分泌を促進させずにインスリン感受性を高めることで血糖値を下げる作用があり、02年6月から2型糖尿病患者を対象に臨床試験を実施していた。一方、海外では独メルク社の子会社が米国内で同様に第Ⅱ相臨床試験を行っており、今回の試験成績から、同じく臨床試験を中止した。