味の素ファルマなど5社 腸管穿孔でドクターレター
公開日時 2003/09/10 23:00
味の素ファルマの経口腸管洗浄剤「ニフレック」(成分名:塩化ナトリウム、
塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、無水硫酸ナトリウム配合剤)との関連が
否定できない死亡例を含む重篤な症状が報告されたことから、同社など同一成
分の製剤を製造販売する5社は9月10日、厚生労働省の指示を受け緊急安全性
情報(ドクターレター)を出した。投与で腸管内圧が上昇し腸管穿孔を起こす
ことがあるなどとして、「排便、腹痛の状況を確認しながら慎重に投与する」
「腸閉塞でないことを確認する」「高齢者には観察を十分に行う」-ことを求
めた。
同剤は92年6月上市。ニフレックのほか、「オーペグ」(太田製薬)、「スク
リット」(大洋薬品工業)、「ニフプラス」(大原薬品工業)、「ムーベン」
(日本製薬)の製品名で販売されている。厚労省医薬食品局安全対策課による
と、市販後に腸管穿孔が6例(うち死亡1例)発生し、00年3月、使用上の注
意の「重大な副作用」に「腸管穿孔」を追加した。
しかし、その後も死亡4例を含む5例の腸管穿孔の報告があった。また、これ
とは別に、腸閉塞についても発売以来、死亡1例を含む7例の報告があった。
今回の同省の指示で5社は、使用上の注意の改訂、緊急安全性情報作成と合わ
せ、服用手順やチェック項目を記載した患者向け説明文書を作成し医療機関に
配布する。
ニフレックは年間(02年度)約165万人に投与、販売実績約26億円で、同剤シ
ェアの9割以上という。