日本シエーリング 神戸ポートアイランドに研究所移管、焦点は再生医療
公開日時 2003/09/17 23:00
日本シエーリングは9月16日、再生医療の研究を拡大するため、医療産業中核
都市構想の整備が進む神戸・ポートアイランド2期の中核施設、バイオメディ
カルアクセレレーター(BMA、起業化支援施設)内に新たな研究施設「日本シ
エーリングリサーチセンター」を開設すると発表。05年までに現在の千葉県茂
原市の創薬研究所は閉鎖し、大阪本社研究部門と併せて約40人の創薬研究スタ
ッフをBMAに移管する。
会見した独シエーリングのギュンター・ストック代表取締役(研究開発担当責
任者)は、「センターでは、内因性・外因性による組織修復に注力した再生医
療の構築と、腫瘍特異的アポトーシス誘導メカニズムの解明による腫瘍領域の
地位の拡大との2つの方向性を掲げる。特に、再生医療に焦点を当て、多発性
硬化症(免疫領域)、心筋梗塞・うっ血性心不全(循環器領域)などで、組織
の再生と機能の修復を研究する」と説明した。
BMAは、神戸市、経済産業省、民間企業が出資する総事業費46億円の起業化支
援施設で、03年度末に完成予定。一般ラボや細胞培養センター、動物実験施設、
RI(放射性同位元素)実験施設などを整備し、バイオベンチャーや再生医療関
連企業産業の研究開発から実用化までの期間短縮を支援する。