フォシーガ後発品 沢井製薬、武田テバ、ニプロが承認取得 ニプロ製品はAG ビムパット後発品に12社
公開日時 2025/08/18 04:52
後発医薬品17成分68品目が8月15日付で承認され、沢井製薬、武田テバファーマ、ニプロの3社がSGLT2阻害薬・フォシーガの後発品の承認を取得した。ニプロは同日、フォシーガ後発品はオーソライズド・ジェネリック(AG)だと発表した。3社とも5mg錠、10mg錠の2品目で承認を取得し、さらに沢井製薬は先発品にはないOD錠の承認も取得した。一方、抗てんかん剤・ビムパットは12社33品目の後発品が承認された。薬価追補収載時の品目数によっては、ビムパット後発品の薬価は先発品の0.4掛け(=40%)となる可能性がある。
文末の「関連ファイル」に、後発品として初めて承認された6成分の一覧表を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。
◎フォシーガ後発品の適応 AGも「2型糖尿病」のみ
今回、後発品として初めて承認されたもの(以下、初後発品)は6成分で、この中にフォシーガやビムパットの後発品が含まれる。
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジンプロプレングリコール水和物、アストラゼネカ/小野薬品)は現在、▽2型糖尿病、▽1型糖尿病、▽慢性心不全、▽慢性腎臓病(CKD)――の4つの適応を持つ。後発品の適応は、AGを含めて、「2型糖尿病」だけのいわゆる虫食い効能となる。
同剤を国内販売する小野薬品によると、24年度の同剤の売上は896億円。適応別の売上は2型糖尿病が380億円、慢性心不全が160億円、CKDが356億円――だが、2型糖尿病とCKDを合併している症例の売上がどちらに入っているかは不明。合併している症例に対し、先発品と後発品のどちらが使用されるかで先発品売上への影響度合いが変わりそうだ。
◎ビムパット後発品 10社が50mg錠、100mg錠、DSの3品目の承認取得 東和薬品はDSのみ
ビムパット(ラコサミド、ユーシービージャパン/第一三共)の後発品の承認を取得した企業は、ヴィアトリス・ヘルスケア、共和薬品、沢井製薬、サンド、ダイト、高田製薬、東和薬品、日本ケミファ、日本ジェネリック、日本製薬、日本薬品工業、陽進堂――の12社。
ヴィアトリスの後発品は50mg錠と100mg錠の2品目。東和薬品の後発品はドライシロップのみ。ほか10社は50mg錠、100mg錠、ドライシロップの3品目で承認を取得した。
◎ボンビバ錠の後発品 先発手掛ける大正製薬子会社のトクホンが承認取得
フォシーガ、ビムパット以外の初後発品は、▽骨粗鬆症治療薬・ボンビバ錠100mg(イバンドロン酸ナトリウム水和物、大正製薬)、▽慢性骨髄性白血病治療薬・タシグナカプセル150mg、同200mg(ニロチニブ塩酸塩水和物、ノバルティスファーマ)、▽LH-RH誘導体 マイクロカプセル型徐放性製剤・リュープリンSR注射用キット11.25mg(リュープロレリン酢酸塩、武田薬品)、▽長時間作用型局所麻酔剤・アナペイン注2mg/mL(ロピバカイン塩酸塩水和物、サンドファーマ/サンド)――の後発品となる。
ボンビバ錠の後発品は、トクホンが承認を取得した。トクホンは先発品を手掛ける大正製薬の子会社。この後発品がAGかどうかは15日時点では不明。
タシグナ後発品は沢井製薬が150mgと200mgのカプセル剤の承認を取得した。後発品に小児適応はない。
リュープリンSRの後発品は、あすか製薬とニプロの2社が承認を取得した。後発品の適応は前立腺がんと閉経前乳がんの2つ。先発品にある「球脊髄性筋萎縮症の進行抑制」の適応は、再審査期間が27年8月24日まで残っている関係で、後発品にはない。
アナペイン注2mg/mLの後発品は、テルモがアンプル剤とバッグ剤の2品目で承認を取得した。
◎クレナフィン後発品 沢井製薬と東和薬品が承認取得 AGは9月発売予定
このほか、爪白癬治療薬・クレナフィン(エフィナコナゾール、科研製薬)について、沢井製薬と東和薬品の2社が後発品の承認を取得した。
クレナフィン後発品をめぐっては、科研製薬子会社の科研ファルマが24年2月に承認を取得し、これまでにAGであることを明らかにしている。科研ファルマのクレナフィンAGは今年6月に薬価追補収載され、8月作成のインタビューフォームによると、9月発売を予定している。
沢井製薬と東和薬品の通常の後発品は12月収載が見込まれる。クレナフィンの後発品市場の競争も激しくなりそうだ。