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アステラスの地図状萎縮を伴うAMDの治療薬・アイザベイなど新薬8製品を審議へ 8月29日の第一部会で

公開日時 2025/08/19 04:50
厚生労働省は8月29日に薬事審議会・医薬品第一部会を開き、アステラス製薬の「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」を対象疾患とする補体因子C5阻害剤・アイザベイ硝子体内注射液(一般名:アバシンカプタド ペゴルナトリウム)など新薬8製品の承認の可否を審議する。

このほかの審議予定品目には、ファイザーの「片頭痛発作の急性期治療及び発症抑制」を対象疾患とする経口CGRP受容体拮抗薬・ナルティークOD錠(リメゲパント硫酸塩水和物)、大塚製薬の高コレステロール血症に対するATPクエン酸リアーゼ阻害剤・ネクセトール錠(ベムペド酸)が含まれる。

報告予定品目は5製品。厚労省からアイリーアの2番目、3番目のバイオ後続品(BS)を承認する方針が報告される予定。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
ネクセトール錠180mg(ベムペド酸、大塚製薬):「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

肝臓中のクエン酸分解酵素であるATPクエン酸リアーゼに作用することでコレステロール合成経路を阻害する新規作用機序医薬品。高LDLコレステロール血症に対してはスタチンが第一選択となっており、ネクセトールはスタチンの後に使うことが想定されている。

承認申請は、スタチン効果不十分またはスタチン不耐の高LDLコレステロール血症患者を対象とした国内第3相試験(NCT05683340)の結果に基づき行われた。

米エスペリオン社からの国内導入品。海外では、米国や欧州をはじめ、世界の複数の地域において高コレステロール血症治療薬として販売されているという。

ナルティークOD錠75mg(リメゲパント硫酸塩水和物、ファイザー):「片頭痛発作の急性期治療及び発症抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

経口カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬。国内では、抗CGRP抗体としてエムガルティ皮下注、アジョビ皮下注、アイモビーグ皮下注が「片頭痛発作の発症抑制」(予防療法)の適応で承認されている。ナルティークが承認されると、CGRPを標的とした初の経口薬となり、予防療法と急性期治療の両方の適応を持つことになる。

海外では、米国で「Nurtec ODT」、欧州で「Vydura」の製品名で販売されている。

ワイキャンス外用液0.71%(カンタリジン、鳥居薬品):「伝染性軟属腫」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

局所用テルペノイド。対象疾患の伝染性軟属腫は、ポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウイルスの感染によって小児に多く生じる疾患であり、一般に「水いぼ」と呼ばれている。ピンセットによる摘除などが行われる水いぼに対し、ワイキャンスが承認されれば、塗布剤による治療選択肢となる。

米Verrica社からの国内導入品。海外では、米国において2023年7月に成人及び2歳以上の小児患者を対象として伝染性軟属腫の適応症で承認を取得し、24年8月から「Ycanth」の製品名で販売されているという。

ビルベイ顆粒200µg、同顆粒600µg(オデビキシバット水和物、IPSEN):「進行性家族性肝内胆汁うっ滞症に伴うそう痒」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

経口回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤。対象疾患とする進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)は、遺伝子変異が原因で、乳児期から慢性肝内胆汁うっ滞による肝脾腫や著明なそう痒感を呈して進行性の経過をとる疾患であり国の指定難病。

フジケノン粒状錠125(ケノデオキシコール酸、藤本製薬):「脳腱黄色腫症」を対象疾患とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品。

ケノデオキシコール酸は「チノカプセル」の製品名で「外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解」を適応として1984年4月から販売されている。

フジケノンが対象疾患とする脳腱黄色腫症(CTX)は、一次胆汁酸合成の必須酵素であるCYP27A1の活性が低下する遺伝性疾患で、血清中のコレスタノール濃度等が上昇することで、コレスタノールが様々な臓器に沈着して障害を引き起こす。国の指定難病。

アイマービー点滴静注300mg、同点滴静注1200mg(ニポカリマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

FcRnを阻害するモノクローナル抗体。対象疾患とする重症筋無力症(MG)は、自己抗体により引き起こされる自己免疫疾患であり、日本国内の患者数は約2万3000人と報告されているという。国の指定難病。

国内では、全身型重症筋無力症(gMG)に対して、FcRnを標的とする抗体薬として、ウィフガート点滴静注/ヒフデュラ配合皮下注、リスティーゴ皮下注が承認されている。

アイザベイ硝子体内注射液20mg/mL(アバシンカプタド ペゴルナトリウム、アステラス製薬):「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

補体因子C5阻害剤。C5タンパク質を標的とすることによって網膜細胞の変性を引き起こす補体系の活性を低下させ、地図状萎縮(GA)の進行を遅らせると考えられている。承認されると、GAを伴う加齢黄斑変性(AMD)に対する日本でファーストインクラスの治療薬となる。

GAは、AMDの一病態であり、不可逆的な視力低下を引き起こす可能性がある。アステラス製薬は2025年2月に条件付き承認制度に基づき承認申請しており、同制度の適用が想定されている。

海外では、米国で23年8月に承認されている。

ドルミカムシロップ2mg/mL(ミダゾラム、丸石製薬):「麻酔前投薬」を対象疾患とする新投与経路医薬品。特定用途医薬品。

ベンゾジアゼピン系薬剤。小児に対する麻酔前投薬を想定して経口投与のシロップ剤を開発したもの。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

アフリベルセプトBS硝子体内注射液40mg/mL「NIT」、同BS硝子体内注射用キット40mg/mL「NIT」(アフリベルセプト(遺伝子組換え)[アフリベルセプト後続2]、富士製薬工業):「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫」を対象疾患とするバイオ後続品。

アフリベルセプトBS硝子体内注射液40mg/mL「SCD」、同BS硝子体内注射用キット40mg/mL「SCD」(アフリベルセプト(遺伝子組換え)[アフリベルセプト後続3]、SamChunDangPharm):「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫」を対象疾患とするバイオ後続品。

眼科用VEGF阻害剤。承認されるとアイリーアで2番目、3番目のバイオ後続品(BS)となる。承認取得済みのグローバルレギュラトリーパートナーズの1番目のBSは現在「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」の適応を持っていないが、いずれもこの適応が含まれている。

▽①コセルゴ顆粒5mg、②同顆粒7.5mg、③同カプセル10mg、④同カプセル25mg(セルメチニブ硫酸塩、アレクシオンファーマ):「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫」を対象疾患とする①②新用量・剤形追加に係る医薬品、③④新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

MEK阻害剤。現在、空腹時に経口投与となっているが、「空腹時」を削除する申請。顆粒は新剤形。

スピンラザ髄注28mg、同髄注50mg(ヌシネルセンナトリウム、バイオジェン・ジャパン):「脊髄性筋萎縮症」を対象疾患とする新用量・剤形追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品。

アンチセンス核酸医薬品。現在、12mg製剤があるが、高用量の剤形(28mgと50mg製剤)と用量を追加するもの。

▽①セルセプトカプセル250mg、②同懸濁用散31.8%、③ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「VTRS」(ミコフェノール酸モフェチル、①②中外製薬、③ヴィアトリス・ヘルスケア):「難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。

事前評価済公知申請品目であり、保険適用済み。
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