中医協・薬価専門部会 「特許切れで薬価切り下げ」阻止を
公開日時 2003/10/15 23:00
中医協は10月15日の薬価専門部会で、既収載品の薬価算定について議論。特許
切れ医薬品の長期収載品引き下げ特例ルール適用が取りざたされていることに
ついて、業界代表の専門委員らは猛烈に反発した。奥田秀毅専門委員(塩野義
製薬常務)の代理で出席した森田正実同社業務部長は「参考人」として発言。
「自由経済の中で薬価を下げるメカニズムは、『特許』より『後発品』。特許
の有無に(引き下げルールの)対象が広がっていることに問題意識を持ってい
る」とした。
森田氏は、「外国でも特許の有無で決める例はない。特許自体が複雑で、メカ
ニズムを作ることは難しい。後発品が出ることで薬価を引き下げるルールの方
がクリア」と述べた。また、「メーカーは大型新薬に依存していて、開発費用
を回収できるのは新薬全体のおおむね4割。特許期間中でさえ十分な収益をあ
げていない新薬が多い」と打ち明けた。
02年の前回改定では、新規後発品収載後の最初の薬価改定時に一定割合を引き
下げる「長期収載品の薬価改定の特例」を設定。その中で、後発品がなくても
特許が切れている長期収載品について「特許期間の把握を前提として次回以降
の改定で対応する」と積み残しにしていた。森田氏は、「特許以外でも製造工
程やプラント高度化など複雑な参入障壁がある」と述べた。