厚労省 「タミフル」2本立てで出荷調整を
公開日時 2003/10/19 23:00
インフルエンザシーズンに向け厚生労働省は10月17日、抗ウイルス剤の供給に
ついて各都道府県に通知した。1300万人分の供給が可能とされる「タミフル」
について、「特定地域に過剰な量が供給されることのないよう、都道府県人口
比に応じた『初回品揃え出荷』と流行状況に対応した『流行出荷』の2本立て
で調整する」ことを販売元の中外製薬と申し合わせていることを明らかにした。
また、同省が関係企業から聞き取ったところ、グラクソ・スミスクラインの
「リレンザ」は、年内に、昨シーズン全体の24万人分を上回る29万人分の供給
を予定。年明け分は流行発生時の緊急対応が可能となるよう、包装の事前準備
を含め柔軟な対応を手配する。脳梗塞後遺症やパーキンソン症候群治療が主な
用途であるノバルティス ファーマの「シンメトレル」も、全量をインフルエ
ンザ治療に使用できるわけではないが、予測を上回る需要が生じた場合には原
末を緊急輸入し製造可能という。
再流行が懸念される重症性呼吸器症候群「SARS」との識別のため需要増が予想
されるインフルエンザ抗原検出キット(迅速タイプ)は、製造・輸入7社で昨
シーズンの1068万5000人分の1.4倍の1524万5000人分を供給。需要増に対応し
さらに160万人分の増産が可能という。