国際医療福祉大大学院 CRCはコーディネーター業務に徹して
公開日時 2003/10/23 23:00
国際医療福祉大学大学院の公開講座「治験依頼者・治験責任医師が望むCRC業
務」が10月22日開かれ、製薬協臨床評価部会の長田徹人部会長がCRCの現状を
紹介した。製薬協加盟会社のアンケート結果では、治験実施機関の選定の際、
CRC設置は「必須」6%、「望ましい」37%、「考慮しない」57%だが、生活
習慣病薬の治験ではCRCの必要性は高いと強調。治験依頼者・モニター、被験
者、治験責任医師など多くの関係者に応対する業務が求められるCRCは、独立
性を保ちつつ協調性を発揮し、コーディネーター業務に徹して欲しいと述べた。
また、「治験依頼者がCRCに最も期待する業務」は(1)CRF作成サポート(2)
スケジュール管理(3)被験者の適格性の確認(4)同意取得サポート(5)被
験者ケア(6)モニタリング・監査対応―の順だが、実際にCRCが行っているの
は「被験者ケア」1位、「モニタリング・監査対応」4位、「スケジュール管
理」と「同意取得サポート」が5位、「被験者の適格性の確認」9位、「CRF
作成サポート」10位でギャップがあると指摘。これを埋めることが今後の課題
とした。
同大大学院の田中俊一教授は、「治験責任医師がCRCに望む業務」は「治験依
頼者が期待する業務」とは少し違うとし、例えば「被験者ケア」は本来、医師
が行うべきことであり、「スケジュール管理」や「CRF作成サポート」、「被
験者のスクリーニング」などを期待すると述べた。