中医協・部会 調整幅の位置付けで議論伯仲
公開日時 2003/10/29 23:00
既収載品の調整幅について「たたき台」は、「薬剤の安定的な流通に果たす役
割に留意し、薬価調査の結果を踏まえ決定する」としたが、支払い側委員が
「調整幅には医療機関の管理コストも含まれている」とする一方、診療側委員
は「中小医療機関ではむしろ逆ざやが生じている」と述べ、意見が対立した。
対馬忠明委員(健康保険組合連合会常務理事)は、「調整幅は流通業界のため
だけではなく、医療機関の在庫管理費などの役割もあるというのが前提。(業
界と医療機関の双方にとって)お互いの鏡のようなもの」と発言。青柳俊委員
(日本医師会副会長)は、「加重平均値ということからも診療所や中小病院へ
のしわ寄せが大きく、(日医)会員から逆ざや問題が指摘されている。管理コ
ストが含まれるという数字上の実態が本当にあるのか」と反発した。
これに対し対馬委員は、「ヒアリングからの実態」と答えるにとどめた。また、
調整幅については診療側の櫻井秀也委員(日本医師会常任理事)が、「全ての
薬剤に同じ割合というのは不合理で、高い薬を売ろう、買おうという意識が生
まれる。薬価がいくらでも1錠につきいくら、プラス何パーセント、という絶
対値が必要」と述べた。