ゼップバウンドの2つの適応拡大承認へ 閉塞性睡眠時無呼吸症候群など 薬事審・第一部会が了承
公開日時 2026/04/27 04:51
厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会は4月24日、日本イーライリリーの肥満症治療薬・ゼップバウンド皮下注について、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)など2つの適応拡大の承認の可否を審議し、承認を了承した。審議品目は、ゼップバウンドのみで、報告品目はなかった。
【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス、同皮下注5mgアテオス、同皮下注7.5mgアテオス、同皮下注10mgアテオス、同皮下注12.5mgアテオス、同皮下注15mgアテオス(チルゼパチド、日本イーライリリー)
:①「肥満症。ただし、高血圧、脂質異常症又は耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する。・BMIが35kg/m2以上」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余期間(令和12年9月25日まで)。
持続性GIP/GLP-1受容体作動薬。ゼップバウンドの現在の適応(24年12月承認)は、「肥満症。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する。・BMIが35kg/m2以上」。今回、ただし書きの「2型糖尿病」の部分を、「耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)」に変更するもの。
耐糖能異常は、2型糖尿病の前段階的な位置付けで、「境界型糖尿病」や「糖尿病予備群」と呼ばれる。ゼップバウンドの24年12月承認取得時の審査報告書によると、メーカーによる申請時の効能・効果は、「肥満症。ただし、耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)、脂質異常症又は非アルコール性脂肪性肝疾患のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する・BMIが35kg/m2以上」だった。
これに対しPMDAは、「本邦における医療環境等も踏まえると、本剤の効能又は効果で規定する健康障害は、薬物療法が必要な状態であることが明確であり、かつ臨床試験において改善が明らかに認められた健康障害とすることが適切と考える。IGT(耐糖能異常)及びNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)を高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病と同列において効能又は効果で規定する健康障害とまでは位置付けられないものと考える」と判断し、現在の効能・効果となった経緯がある。
今回、「現在の肥満症のただし書きについて、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、と記載しているが、これに耐糖能異常を追加する申請があった」(厚労省担当者)といい、これを承認することが部会で了承されたもの。
肥満症の適応に関して用法・用量に変更はない。
海外では、肥満又は過体重に対する体重管理に係る効能・効果で、2023年11月に米国で、23年12月に欧州で承認され、26年2月現在、欧米を含む70以上の国又は地域で承認されている。また、欧州を含む50以上の国又は地域で肥満又は過体重の適応症において関連する健康障害として耐糖能異常が含まれている。
なお、ノボ ノルディスク ファーマの肥満症治療薬・ウゴービ皮下注の添付文書を見ると、肥満症のただし書きにある健康障害は、「高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病」となっている。
:②「中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群。ただし、BMIが27kg/m2以上に該当する場合に限る」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(令和12年9月25日まで)。
ゼップバウンドについて、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の効能追加も了承された。OSASに対する用法・用量は「通常、成人には、週1回2.5mgから開始し、4週間の間隔で2.5mgずつ増量し、週1回15mgを皮下注射する。なお、忍容性が認められない場合には、週1回10~15mgの範囲で投与量を調整することができる」。
海外では、米国で第3相SURMOUNT-OSA試験の結果に基づき、2024年12月に同効能追加が承認されている。26年1月時点で、OSASに関する効能・効果で欧米を含む20 以上の国又は地域で承認されている。
国内では、ダイアモックス錠が「睡眠時無呼吸症候群」、モディオダール錠が「持続陽圧呼吸(CPAP)療法等による気道閉塞に対する治療を実施中の閉塞性睡眠時無呼吸症候群」の適応を持っているが、「ガイドライン上、恐らく推奨度は高くないのではないかと認識している」(厚労省担当者)という。