厚労省 老人の「高額医療費」未償還半年で70億円
公開日時 2004/05/12 23:00
老人医療費の自己負担分が一定限度額を超え「高額医療費」の対象となったの
に、患者からの申請がないため償還されないケースが、02年10月以降の半年間
で69億6190万円(03年10月1日時点の集計)に上ることが、厚生労働省の調べ
で5月12日までに分かった。該当額377億8730万円の18.4%に上る。地域によ
るばらつきが大きく、厚労省は、「受給対象者が制度を知りながら申請しない
のか、知らないため申請できないのか分析し、市町村の実情に応じた対応を実
施してほしい」としている。
02年の老人保健法改正により、老人医療対象者は自己負担分の医療費を窓口で
全額支払い、限度額を超えた分は市町村窓口で申請手続きをして償還されるこ
とになったが、医療現場などから、制度が周知されていないとの指摘がある。
未支給額は、愛知県(該当額18億1636万円の2.7%の4838万1561円)などかな
り低い地域がある一方で、鳥取県(1億7981万6410円、45.5%、7211万3078円)
は、半数近くが未支給。ただ、未支給が多い地域も、調査時点の03年10月1日
以降、個別の通知などで支給額が増えているという。