小野薬品・滝野社長 米デサイフェラ社買収「大いに意義あるM&A」 協業体制でグローバル企業に進化へ
公開日時 2026/03/25 04:51

小野薬品の滝野十一代表取締役社長COOは3月24日のサステナビリティ説明会で、2024年6月に買収した米デサイフェラ社について、「新薬を持続的に上市しているようになったという点で大いに意義のあるM&Aだった」と手応えを示した。その上で、個社体制からグループとしての協業体制に変化することでビジネスの効率化やスピードアップをさらに図り、「これまでの国内中心のビジネスモデルからグローバル企業へと成長、変化し、よりサステナブルな経営体制にしたい」と意欲を示した。
小野薬品は、24年6月のデサイフェラ社買収により、消化管間質腫瘍(GIST)に対するKIT阻害薬・キンロックを取得。25年には腱滑膜巨細胞腫(TGCT)に対するCSF-1受容体阻害薬・ロンビムザを欧米市場で上市した。さらに26年は自社創製のBTK阻害薬・チラブルチニブについて、再発または難治性(R/R)の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)の治療薬として米国市場での上市を見据える。滝野社長は、「グローバル市場で毎年に近いペースで新製品を上市していける可能性が見えてきており、その能力も着実に付いてきている」と手応えを口にした。
◎買収から2年で「より一体感あるR&D体制にシフト」 営業面でのシナジーにも期待
“Ono Group”としての協業体制については、「合併当初はキンロックやロンビムザの市場浸透や上市があり、それらのオペレーションを優先して運営体制を組んでいた」と説明。買収から2年を経て、現在は3つのグローバル試験を開始するなど、「より一体感のあるR&D体制にシフトし始めている」と強調。「さらに効率的かつスピード感のある展開が可能になる」と期待を込めた。営業面でも、「彼らのやり方にインスパイアされるところもあり、今後デサイフェラ社の製品が国内に入ってくる際にノウハウをうまく活用していきたい」と述べた。
グループとしての一体感の醸成では、それぞれの理念やビジョンなどの価値観を尊重しながら相互理解を推し進める方針。これまでも経営層による対話やグループ会社も参加する全部門集会などを開催してきた。滝野社長は、「デサイフェラ社は患者中心主義の意識が強い会社。彼らが今後も矜持を持ちつつ、我々のありたい姿ともしっかりと橋渡ししながらコラボレーションできる文化を実現していきたい」と将来を見据えた。