日病薬 「キシロカイン10%」救急カートからも撤去へ
公開日時 2004/05/19 23:00
アストラゼネカの抗不整脈剤「静注用キシロカイン2%」と「点滴用キシロカ
イン10%」を取り違える医療事故が相次いでいることから日本病院薬剤師会
(全田浩会長)のリスクマネジメント特別委員会(土屋文人委員長)は5月19
日までに、会員向けに、管理の徹底を改めて通知した。昨年10月にも「キシロ
カイン10%」を病棟から撤去することを含め自主点検を勧めたが、今回は、さ
らに進め外来処置質、救急カートからも撤去するよう要請した。
直接の契機は、北里大学病院で先月女性患者が死亡した事故。日病薬によると、
同病院では病棟から「キシロカイン10%」を撤去していたが、循環器担当医師
の要望で救急カートの中には備えていた。取り違えが指摘されていることから
アストラゼネカはこのほど、「10%」のパッケージを変更。最近では、ラベル
の記載内容について、医師を対象にアンケート調査を始めたばかりだった。
日病薬の通知ではこのほか、「今回の事故は医師の口頭指示によるもので、薬
剤師による確認を経ずに患者に投与され起きた」として、薬剤師が関与できる
よう、「注射処方せん」による調剤体制の徹底も求めた。