日医総研（日本医師会のシンクタンク）の報告書「病院経営マネジメント『人
事制度の現状と課題―人事制度改革にむけて―』」が16日、まとまった。人事
制度改革に取り組む病院に向けて、成果主義型の給与体系に移行する場合の課
題、留意点を示した。

福岡県内482病院へのアンケートで人事制度の実態を調べた。212病院が回答、
回収率は44％。医師の給与は民間病院の66.6％、公立公的病院の97.4％が「年
功主義的処遇」「どちらかというと年功主義的処遇」。看護職員の給与もほと
んどが年功主義だった。人事考課・評価をしていても、給与や賞与にまったく
反映させていないところもあった。

成果主義導入時に陥りやすい失敗として報告書は、（１）経営理念がしっかり
していないために改革のエネルギー、経営資源が分散してしまう（２）人事評
価への遠慮（３）人事コンサルタントに依存しすぎる――を例示。妥当な給与
水準として、長期療養型の病院（療養病床100％）で給与比率55％以下、急性
期型の病院（療養病床なし）は同50％未満とした。【JPN抜粋】