健保連・調査研究 薬剤点数「院外調剤」で高め
公開日時 2004/07/27 23:00
健康保険組合連合会がこのほどまとめた03年度の総合政策調査・研究基金事業
「医薬分業による薬剤給付の合理性に関する調査研究」(委員長・田中滋慶応
義塾大学大学院経営管理研究科教授)によると、老人レセプト1件当たりの薬
剤点数は、院内調剤(非分業)の場合880.9点、院外調剤の場合943.9点で、分
業を行っている方が高いことが分かった。同研究報告は、「分業の実施で薬剤
費が減るのではないかとの予測とは一致しない結果」としている。
調査は02年7~12月審査分の老人レセプト1万5208件、一般レセプト42万1947
件について実施した。老人レセプト1件当たりの「薬剤費比率」は、総薬剤点
数の傾向とは逆で、院外(32.3%)よりも院内(40.4%)が高かった。これら
は、一般レセプトの場合も同様の傾向で、1件当たり総点数は院内424.3点、
院外457.2点、薬剤費比率は院内36.8%、院外32.2%だった。
また、老人レセプトの薬剤料全体に占める後発医薬品の割合は、院内で7.5%、
院外で5.0%。一般レセプトも院内6.5%、院外4.4%で、いずれも院内の方が
高く、「院外投薬に変更するとそれまで後発医薬品を使用していた医療機関で
も先発医薬品を処方するのでは、との一部の指摘」(報告書より)が裏付けら
れた。