慶応大・池上教授 DPC病院のクリニカルパス収載が勝負
公開日時 2004/08/05 23:00
慶応義塾大学医学部の池上直己教授は8月5日、ファルマ・ビジネス・アカデ
ミー主催の講座で「包括評価導入に製薬企業はどう対応すべきか」と題して講
演し、「DPCを導入した病院のクリニカルパスに収載されるかどうかで企業の
勝負が決まる」と述べた。包括評価により院内で診療が標準化されるため、パ
スの中で新薬が採用されれば全医師が利用する一方、採用されなければ、まっ
たく処方されない事態になるというのがその理由だ。
また、包括評価では処方が敬遠されがちな高額な新薬について、治療効果で入
院期間が短縮したり、検査や他の薬剤の処方を省略できるとすれば、インセン
ティブがあると指摘。企業のマーケティング戦略として、各病院のパスを入手
し、新薬を採用した場合のモデルを作成することを求めた。一方、後発医薬品
の採用について、出来高制である外来に戻って薬が変わると患者に不信感を抱
かせる可能性があるとして、院内で採用を統一することが必要とした。
さらに、将来の、急性期以外の入院医療包括化について、抗がん剤といった高
薬価薬剤など、包括評価の例外規定をどこまで置くかが課題になると見通した。