米リリー・トーレル社長 製造者に製品の当初価格決める権利を
公開日時 2004/09/01 23:00
米イーライリリーのシドニー・トーレル会長・社長兼最高経営責任者は9月1
日都内で講演し、「日本の医薬品産業はグローバルな成功を見るに至っていな
い。その主な理由は、私の信じるところでは、イノベーションが十分に報われ
ないために日本市場が画期的な新薬の研究に適さないからだ」と述べ、薬価制
度改革の必要性を訴えた。また、臨床試験のインフラストラクチャー強化、医
学的イノベーションの審査が早まるよう新薬審査制度改善などを求めた。
薬価制度改革に関しては「日本は新しい医薬品にとってリスキーな市場。製造
者に製品の当初価格を決める権利をほとんど認めていない。かといって、製品
のライフサイクル全般にわたる価格の安定性が担保されているわけではない」
と述べ、「イノベーションの価値というものをこれまで以上にフルに報いられ
る薬価制度にするため、政策レベルでなされるべきことが数多く残っている」
と強調した。
日本法人の日本イーライリリーは、米リリーの子会社として2番目に大きく、
95年から03年までに従業員数は倍増、同期間に日本の製薬業界での売上高ラン
キングも77位から33位に上がり、躍進を続けている。