富士レビオとSRL 経営統合を決定
公開日時 2004/10/18 23:00
臨床検査薬大手の富士レビオと、臨床検査大手のエスアールエルは10月18日、
経営統合すると発表した。05年後半に持株会社設立で完了する。1970年に両社
が分離してから30年以上経ち既存市場が鈍化したのを受け、再び統合する道を
選んだ。「ゲノム情報などの蓄積が進み、活用の段階に入る中で、メーカーか
らサービスまで一貫して行うことが大きな力になる」と話している。
富士はこれまでSRLの株式33.4%を保有していたが、「ポジティブには働いて
いなかった」という。統合完了までに3ステップを踏む。
まず富士はSRLの株式公開買付けを実施し最大66.67%(議決権ベース)まで追
加取得。買付価格は1株1365円。次に残りの株式に対し株式交換を実施し一時
的にSRLを富士の完全子会社とするプロセスを経る。04年12月上旬に株式交換
比率など交換契約を締結し、05年3月末に交換を実施する。最終的に05年後半
に持株会社を発足しその下に富士とSRLがぶら下がる形態とする。持株会社は
上場を維持する。
SRLは治験関連事業を第2の柱として育成するため、治験専用のセントラルラ
ボ構築とIT戦略によって事業拡大を図る。10年の損益数値目標は経常利益率3.
8%(04年見通し)から7.0%へのアップだったが、「経営統合効果により、さ
らに加速させた数字を12月に報告したい」としている。富士は00年に医薬事業
部門をユーシービージャパンに営業譲渡、検査薬に特化した。「他社とのM&A
を進める上でもSRLとの関係は整理しなければならない問題だった」と述べた。