厚労省 注射用抗生物質製剤の皮内反応に「待った」
公開日時 2004/10/28 23:00
厚生労働省は10月28日に公表した「医薬品・医療用具等安全性情報」No.206で、
注射用抗生物質製剤によるショック・アナフィラキシー様症状を予知する目的
で推奨していた事前の皮内反応について、有用性の観点から取りやめる方針転
換を明らかにした。添付文書で、「症状の発生を確実に予知できる方法がない」
とした上で、これら副作用発生を未然防止するために、(1)事前に既往歴に
ついて十分な問診を行う(2)抗生物質によるアレルギー歴を必ず確認する―
―ことなどを明記した。
同製剤にアレルギーがないか皮内反応で調べる方法は実際にアレルギーを持つ
者より偽陽性の方が圧倒的に多く、適切な治療を受ける機会が失われているほ
か、皮内反応の実施でアレルゲンを生じさせる可能性があると指摘されている。
同情報では、今回の変更に伴う同症状の発生状況を推移を確認するため、当面
3年間は製剤ごとの副作用発生件数を企業に求めることも示した。
同情報ではこのほか、簡易血糖自己測定器の値に基づきインスリン投与したと
ころ低血糖を引き起こしたとされる報告から、測定器の添付文書に「実際の血
糖値より高い値を示す」可能性があると追記したことも公表した。