日本高血圧学会 厚労省に塩分表示の見直しなど要望
公開日時 2005/09/20 23:00
日本高血圧学会の藤田敏郎理事長(東京大学大学院医学系研究科腎臓・内分泌
内科教授)らは9月20日に都内で開いた会見で、減塩普及活動の取り組みの一
環として、8月末に食品の栄養成分表示中の塩分表示などに関して厚生労働省
に申し入れを行ったと発表した。
内容は、▽栄養成分表示では食塩量を表示。ナトリウム含有量を示す場合には、
食塩換算量も表示する▽主要栄養成分および食塩量は、1日許容量あるいは基
準値の何%かを表示する▽缶詰、瓶詰め、その他すべての包装食品で表示を義
務化する――の3項目。
同学会では、04年に減塩キャンペーンワーキンググループを設立し、減塩に対
する問題点とその対策を進めてきた。今回の申し入れの背景には、栄養指導が
食塩量で行われているにも関わらず、食品中の栄養表示がナトリウムでなされ
ており、減塩を行う際にわざわざ換算が必要で、煩雑な状況などがあるという。
高血圧患者での減塩の効果を示す大規模な臨床試験は日本ではなく、欧米の成
績を参考にせざるを得ないが、欧米の成績では6g/日前後の減塩を行えば、
有意な血圧低下が認められるという。高血圧患者では、1g/日の減塩で
約1mmHgの降圧が見込まれると考えられ、これは約3%の脳卒中死亡率の減少
につながるという。