日本泌尿器科学会 BTX膀胱内注射療法が難治性OABに劇的効果
公開日時 2006/04/16 23:00
日本泌尿器科学会総会(福岡市、4月12日~15日)では、抗コリン剤抵抗性の
難治性過活動膀胱(OAB)に対してA型ボツリヌス毒素製剤(BTX)が劇的な効
果を示したとの報告が注目を集めた。
BTX膀胱内注射療法の試験の対象患者は6ヶ月以上にわたりOAB症状を有する患
者15例。鳥取県立中央病院泌尿器科の渡邊健志氏によると、間質性膀胱炎を除
く12例で無抑制収縮の消失、排尿回数の減少、尿失禁回数の減少などの効果を
認めた。効果は1週間後に現れ、1回の注入で長期間(平均約7ヵ月)持続し
た。
同療法の利点は、手技が容易で、外来での治療が可能なこと。また、膀胱のみ
に作用するため、全身に対する作用を認めないという。今後さらに症例の選択
やBTXの投与量、投与法など検討を続ける。渡邊氏は「多くの症例で効果は劇
的であり、画期的なOAB治療になる可能性を秘めている」と説明した。
このほか総会では、OABの新規治療薬の研究・開発成果の報告が相次ぎ、動物
試験で単純ヘルペスベクター(HSV)を用いた遺伝子治療が新たな治療法にな
る可能性が示唆された。