ワイス・フリッツェル氏 小児肺炎球菌ワクチンの臨床意義を強調
公開日時 2006/07/23 23:00
ワイスファーマシューティカルフランスのワイス・ワクチンリサーチ国際学術
・臨床業務担当のベルナール・フリッツェル副社長は、7月21日のセミナーで、
09年頃の国内上市を目指してフェーズ2段階にある小児肺炎球菌ワクチン「プ
レベナー」(7価結合型)の臨床的意義を説明した。プレベナーに次ぐワクチ
ンとして開発中の第2世代の「13価結合型」肺炎球菌ワクチンが、動物試験で
有望な結果が出ていることを明らかにした。非感染性疾患では、アルツハイマ
ー病をターゲットに第二世代のワクチンの研究開発に着手したことも公表した。
プレベナーは既に海外74カ国が承認している。米国では、導入後に5歳未満の
侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の発生が80%減少したデータもあり、一定の成
果をあげている。小児への接種は高齢者も含めた成人の感染予防にも効果手段
になるという。統計によると、ワクチンの普及が遅れているアジアでは、肺炎
球菌による感染症が小児の大きな死亡原因(毎年35万人)で対策が急務となっ
ている。
さらに、フリッツェル副社長は、第二世代の肺炎球菌ワクチンを開発する意義
も強調した。高齢者に対して標準的に使用している肺炎球菌ポリサッカライド・
ワクチン(結合型肺炎球菌ワクチン)は、時間とともに効果が弱まり、限定的
(60%)で、かつ安全面や効果上の理由で複数回投与ができないという。
それに対して、ワイスが開発している次世代の「13価結合型」肺炎球菌ワクチン
は、優れた抗体応答を誘導して長期的な免疫性を得るために繰り返して投与可能
とした。「7価結合型は75~80%の疾患をコントロールするが、13価結合型は
80~85%の血清型をカバーできる」と、より幅広い疾患に対応できる点を強調
した。