ノバルティス ラミシール営業活動で後発品を中傷、厚労省が改善指導
公開日時 2006/08/30 23:00
ノバルティスファーマが抗真菌剤「ラミシール」の営業活動で、同剤の後発品
を「誹謗中傷」したとして、厚生労働省から改善指導を受けていたことが8月
30日までにわかった。海外後発品に「遺伝毒性」が含まれているとのデータを
全国の医療機関に紹介していた営業活動が後発品企業の誹謗中傷にあたるとし
て、厚労省経済課は同社に対して改善指導を行った。さらに、業界団体も製薬
業界が定めたプロモーションコード違反の疑いで、調査に動き出している。
(詳細は9月1日発売のマンスリーミクス9月号「GE市場の大地殻変動」に掲
載)
問題となったのは「ラミシール錠 海外後発品の不純物の濃度」と題するデー
タ。ノバルティスのスイス本社がインドやカナダ、イスラエルなどの後発品の
原末や製剤の不純物濃度を解析したもの。一覧表の最下段には「微量ではある
が遺伝毒性を持つ」と記載している。遺伝毒性とは主に発がん性を示す場合が
多く、医療関係者が国内の後発品にも同様の問題があると誤解しかねない内容
となっている。
後発品の使用促進策を主導する厚労省経済課は、今回の事態を重くみて、8月
上旬に馬場宣行・ノバルティスファーマ社長を呼び出して改善指導を行った。
このほか、日本製薬工業協会やメーカー公取協(医薬用医薬品製造販売業公正
取引協議会)もプロモーションコードに抵触する可能性が高いため、独自の調
査を進めている。
ノバルティスファーマ広報部は「8月25日までに問題のデータを見せた医師に
は謝罪をほとんど終えている。誤解を与えかねないデータであり、関係者には
大変ご迷惑をかけた」とコメントしている。ラミシールには今年7月に後発品
20品目が参入し、シェア防衛が課題となっていた。