リリー、ノボのQ1 マンジャロ、ウゴービ錠の販売量急増 米国市場の実勢価格低下で利益相殺も顕在化
公開日時 2026/05/07 04:52
イーライリリー、ノボノルディスクの26年第1四半期業績(1~3月期・Q1)は、GLP-1受容体作動薬マンジャロ、ウゴービ錠などの主力品がともに販売数量を伸ばす一方で、米国市場を中心に実勢価格(Realized Price)の低下がみられ、両社ともに利益の一部を相殺していることが分かった。イーライリリーは4月30日にQ1業績を発表。マンジャロとゼップバウンドが前年同期比56%増を確保して業績を牽引する一方で、米MFN価格協定に伴う薬価引下げや中国の国家医療保険償還医薬品リスト(NRDL)への収載で利益を一部相殺したと明かした。ノボ社も5月6日にQ1業績を発表。1月発売のウゴービ錠で米国内の過去最高売上を更新したものの、販売価格の低下などで調整後売上高は実質レート(CER)ベースで4%減少したと報告した。
◎マンジャロは前年同期比125%増の87億ドル、ゼップバウンドは79%増の41億ドル
リリーのQ1業績のうち2型糖尿病治療薬マンジャロの売上は前年同期比125%増の87億ドル、肥満症治療薬ゼップバウンドは79%増の41億ドルをそれぞれ売上げ、圧倒的な需要と販売ボリュームの増加が業績を押し上げた。これにより同社のQ1売上高は前年同期比56%増の198億ドルを達成した。なお、マンジャロの米国売上は59%増の42億ドル。ただ、同社は「非常に強い需要に支えられているが、実質的な値下げにより利益を一部相殺している」と説明している。また米国外の売上は前年同期の12億ドルから44億ドルに急増しているが、「特に中国で国家医療保険償還医薬品リスト(NRDL)に収載され、価格は下がったものの、販売数量が劇的に伸びた」と強調した。結果的に、単価は下がったものの、それを上回る圧倒的な処方数を獲得したことが際立つ業績トレンドと見ることができる。
一方で、米FDAが同社の経口GLP-1受容体作動薬「Foundayo(オルホルグリプロン)」を肥満症治療薬として承認したことについて、デビッド・A・リックス会長兼CEOは4月30日(現地時間)に開催したオンライン説明会で、「2026年は強力なスタートを切ることができた。特にFoundayoの承認は、GLP-1治療を必要とする多くの人々にとって、利便性を大きく向上させる重要なマイルストーンだ」と語り、GLP-1市場でのプレゼンスをさらに強める考えを強調した。
◎ウゴービ錠 Q1の処方箋総数は約130万件、発売以来200万件超え
26年1月から販売を開始したノボ社のウゴービ錠は、4月17日までの処方箋総数が20万件/週を超え、Q1の処方箋総数は約130万件、発売以来200万件を超えて米国におけるGLP-1製剤の発売としては過去最高の販売量を記録した。これによりウゴービ錠のQ1売上高は22億5600万デンマーククローネを確保した。一方で、米国事業の調整後売上高はQ1に為替変動調整後で11%減少したと明かし、「これは販売価格の低下が主な要因だが、ウゴービ製品ポートフォリオ全体の販売量増加によって部分的に相殺された」とも説明している。
マシアル マイク ドゥスター社長兼CEOは、「ウゴービ錠が好調なスタートを牽引している。1月の発売以来100万人以上の患者に使用されており、最も効果的なGLP-1錠の急速な普及によるものだ」と指摘。「ウゴービ錠は肥満治療のための唯一の経口ペプチドとして新たなカテゴリーを確立し、患者と医師が期待できる新たな基準を打ち立てている。ウゴービの好調な業績と国際事業の継続的な成長により、調整後売上高と調整後営業利益の両方について26年のガイダンスを引き上げた」と報告。GLP-1製品に対する期待の高まりを受けて、340B引当金の取り消しを除いた調整後営業利益の伸び率をCERベースで4%減~12%減少(当初予想:CERベースで5%減から最大13%減少)になると予想を上方修正した。