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第一三共・奥澤社長兼CEO ADCの供給計画見直しで損失計上 グローバルサプライチェーン戦略を再設計

公開日時 2026/05/08 20:00
第一三共の奥澤宏幸社長兼CEOは5月8日、抗体薬物複合体(ADC)ポートフォリオの供給計画の見直しに伴い26年3月期連結業績予想で損失が発生すると発表した。営業利益は当初予想額の3350億円から2290億円に下方修正する。減益要因の内訳は、CMOへの損失補償額の引当が約757億円、小田原工場ADC関連の設備投資の減損、補償金等で約193億円、その他380億円。奥澤社長兼CEOは業績予想修正に関するオンライン説明会に臨み、「第6期中期経営計画期間で過去の最大需要を前提とした旧供給計画と新供給計画を比較するとADC製品の累計数量が減少する見込みになった」と明かし、グローバルサプライチェーン戦略を再設計したと明かした。なお、同社は5月11日に26年3月期連結業績と第6期中期経営計画を発表する。

今回の連結業績予想の修正を受け、26年3月期連結業績における税引前利益は前回予想値を910億円下回る2640億円、当期利益は前回予想値を280億円下回る2600億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前回予想値を280億円下回る2600億円になるとの見通しを示した。

奥澤社長兼CEOによると、第5期中期経営計画の策定時においては、「3ADC(3つの抗体薬物複合体)の最大化の実現を成長戦略の筆頭に掲げつつ、臨床試験リスクを織り込んだ需要前提に基づき供給計画を策定していた」と説明。一方で、その後の臨床開発の進展、適応症の拡大、販売国・地域の増加などによる研究開発戦略を、「5DXd ADCs(5つの抗体薬物複合体)としてより幅広く捉えなおした。さらに次世代の“Next Wave”(持続的成長の実現に向けてStandard of Careを変革する製品群)も取り入れて刷新し、ADC全体の需要予測も第5期中計前半で大きく拡大した」と述べ、ADCの製造能力は、「全ての患者への安定的な製品供給を最優先し、最大需要を前提に製造能力を確保する方針に転換した」と説明した。その結果、製造能力については「リスク調整なし」で需要をカバーする方針を打ち出し、CMOと自社製造のハイブリッド体制で製造能力の拡大と需要変動への調整を可能にすることを目指してきたと明かした。

その後、ADCポートフォリオの各臨床試験の結果を踏まえた対象患者の見直しや製品上市年度の延期を通じ、予定していた需要が低下したことから、短期的な対応として25年度第2四半期にCMOへの損失補償(127億円)、棚卸資産評価損(46億円)を計上したと述べた。

◎旧供給計画と新供給計画を比較 累計数量が減少見込み 「リスク調整」織り込んだ新たな計画に変更

一方で奥澤社長兼CEOは、ADCポートフォリオ製品の戦略を再設計し、「リスク調整を織り込んだ新たな供給計画」に変更するとともに、ADCポートフォリオの各臨床試験結果を踏まえた適応症取得や上市計画を見直し、その内容を供給計画に反映したと説明。この結果、第6期中期経営計画期間で、「過去の最大需要を前提とした旧供給計画と新供給計画を比較すると、累計数量が減少する見込みになった」と述べ、短期的な差異に対するCMOへの損失補償について、現時点での見積額を2025年度に一過性の費用として計上したと説明した。

◎小田原工場におけるADC関連設備への追加投資「継続が合理的でないと判断」

一方で、グローバルサプライチェーンの再設計の一環として、「小田原工場におけるADC関連設備への追加投資の継続が合理的でないと判断し、当該投資案件の中止を決定した」と明かした。この日示された資料によると、今後は「自社+CMOでフレキシブルな対応」を主眼とし、自社はプロセス開発から初期商用生産までを一体で最適化するほか、開発スピード向上や需要変動等に対するフレキシブルな生産体制で臨む。また。CMOは商用生産の基盤キャパシティとして活用する方針だ。

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