日本イーライリリー 国内初の悪性胸膜中皮腫治療薬アリムタ発売
公開日時 2007/01/21 23:00
日本イーライリリーは1月19日、アスベスト(石綿)の吸引により発症する悪
性胸膜中皮腫の国内初の治療薬「アリムタ注射用500mg」を22日から発売する
と発表した。同剤と同時承認となったシスプラチンとの併用療法として使われ
る。薬価は500mg1瓶で24万649円。ピーク時の2017年に16億2000万円の売上を
目指す。
同社の約800人のMRのうち、オンコロジー専任MR100人超が販促活動にあたる。
国内では併用療法の使用経験が十分でないため、発売後1年間は一定の基準を
満たす医療機関400施設のみに納入する。施設の基準は、4学会(日本臨床腫
瘍学会、日本癌治療学会、日本肺癌学会、日本呼吸器学会)の認定医または専
門医がおり、がん化学療法に精通した薬剤師、看護師が勤務、副作用発現によ
る緊急時に十分対応できるがん拠点病院などであることが条件。また、発売後
は投与患者300人をメドに使用成績調査が義務付けられる。
アリムタは05年1月の厚労省の未承認薬検討会議で「早期に治験を開始すべき」
とされ、06年6月に同社から承認申請され、6ヵ月のスピード承認となった。
国内の併用療法でのフェーズ1/2試験で得られた奏功率は36.8%(7/19人)
で、海外とほぼ同様の効果が得られている。米国で04年2月に世界で初めて承
認されたのを皮切りに、84ヵ国で承認され、05年の売上は4億6320万ドル。