永江エグゼグティブアナリスト 「製薬業界黄金期は終焉」
公開日時 2007/01/24 23:00
ユート・ブレーンLLC合同会社の永江研太郎氏(エグゼグティブアナリスト)
は1月24日、同社のセミナーで講演し、「製薬業界の黄金期は05年で終った」
と指摘。大転換期を迎える中で、欧米大手が生き残りをかけて人員削減も含め
組織全体の変革に迫られていると解説した。
その背景として、米国ではジェネリック(GE)参入後、ブランド品の売上が急
減。外来のGEの比率は60%を突破したと紹介した。欧州でも政府の薬剤費抑制
策、薬剤経済学の活用が進むとともに、GE参入後のブランド品の売上減少のス
ピードが早まっているという。
欧米共に主力品の特許が切れた場合、大型新製品がない場合には1~2年前に
他社から導入の必要があるとした。大型品のパテント切れを後継の大型品でカ
バーするという従来型の大手のビジネスモデルは既に崩壊しているという。
今後は自由薬価の米、英、独といえども設定する薬価が非常に難しくなってき
ており、バイオの抗がん剤でも価格競争が始まるなど、「今後は価格戦略がさ
らに重要になる」と指摘。大型品のパテント切れで利益率が減少傾向にある中
で、マーケティングの手法を変えたり、パイプラインに合わせたMR数の適正化
など、変化に合わせて対応を取らざるを得ないと語った。