厚労省・医薬品第二部会 中外のタルセバの承認を了承
公開日時 2007/07/25 23:00
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は7月25日、中外製薬の非
小細胞肺がん治療薬タルセバ錠(一般名:エルロチニブ)などの承認を了承し
た。タルセバは低分子の分子標的治療薬(ヒト上皮増殖因子受容体EGFR/HER1
チロシンキナーゼ阻害剤)。対象は他の化学療法の無効例に絞り、承認条件と
しては全例調査の実施を義務付ける。国内の治験で間質性肺炎の症状がみられ
たことから、投与初期には入院などによる観察や一定レベルの医師のもとでの
使用などが求められるとしている。
タルセバのほか審議品目となったのは三菱ウェルファーマ/バイファのアルブ
ミン製剤アルビースト注/アルブレック注(人血清アルブミン・遺伝子組換え)
。ペキア酵母を使った世界初のアルブミン製剤という。ヒト由来製剤と比べて
感染症のリスクはないものの、ペキア酵母抗体が陽性の患者にはアナフィラキ
シー様症状がみられる可能性があるため、陽性患者への投与を避ける。また、
1万人規模の市販後調査を実施することとした。国内に類薬がないことから、
薬事分科会で改めて審議する。
報告品目となった大鵬薬品の抗がん剤ティーエスワンカプセルは胆道がんの適
応追加。また、ヘリコバクター・ピロリ除菌療法で、PPI+アモキシシリン(A
MPC)+クラリスロマイシンでの一次除菌療法不成功例に対するPPI+AMPC+メ
トロニダゾールの二次除菌療法を認めた。国内外で文献などが充実しており、
臨床現場でも使用されていることや、日本ヘリコバクターピロリ学会からの要
望もあり、「医学薬学上公知である」との判断に基づき申請されていたという。