厚労省・調査 エリスロポエチン、4割の患者で処方量減
公開日時 2007/10/10 23:00
厚生労働省は10月10日、06年4月の診療報酬改定で包括化された腎性貧血治療
薬エリスロポエチンの処方量が39.6%の患者で減少したとする調査結果を公表
した。透析医療を実施している医療機関2000施設を対象とした調査(回答1168
施設)で、患者2万4010人の06年1月と07年7月時点の1週間あたりの処方量
の変化などがわかった。「変わらない」は34.5%、「増加した」も25.9%だっ
たことから、「包括化されても必要な患者にはきちんと投与されている」(厚
労省)とみている。中医協の診療報酬改定結果検証部会に報告した。
貧血患者の割合は、使用量が減った患者(9500人)で60.3%から55.8%と減少
し、逆に増えた患者(6219人)で55.0%から67.9%と増加した。厚労省は、使
用量の変化と貧血患者の関係性について正確な要因はデータから読み取れない
としているが、「包括化によって貧血患者が増えるなどの悪影響が出ていると
いう結果にはなっていない」との認識を示している。
患者1人あたり平均使用量が減少したと回答した医療機関(423施設)は、そ
の理由(複数回答)として「鉄剤の使用を増やした」(68.1%)、「検査デー
タを見ながらきめ細かく貧血管理を行うようになった」(57.9%)、「貧血管
理の目標値を下げた」(16.1%)などと回答した。