ワイス エンブレルの副作用死亡例でコメント
公開日時 2007/12/11 23:00
ワイスと武田薬品工業の関節リウマチ(RA)治療薬エンブレルについて、05年
3月の発売以降、薬剤との因果関係が否定できない死亡例が79例確認されたこ
とがわかった問題で、ワイスは12月11日に「性別、年齢を加味すると一般日本
人の死亡率と疫学的に有意な差は認められなかった」とのコメントを出した。
死亡例一覧がエンブレル専用ウェブサイト上に、12月4日に公表された「適正
使用情報」(全例調査の中間解析および死亡症例について)に掲載された。医
薬品医療機器総合機構に報告済み。発売から今年11月30日までに全例調査(登
録症例1万4369例)と自発報告などにより収集したもの。
死亡した患者の副作用で最も多かったのは、感染症および寄生虫症(43例)で、
内訳は肺炎10例、ニューモシスティスジロヴェシ肺炎8例、敗血症7例、細菌
性肺炎4例など。また、呼吸器関連の副作用として間質性肺炎12例も含まれて
いた。
一方、中間解析は05年3月30日から06年3月31日までに投与され、6ヵ月間の
観察期間が終了した7091例を対象に分析。集計時の死亡例33例のうち、調査期
間である24週以内に死亡した29例についてSMR(Standardized Mortality Rati
o)分析をした結果、一般人と比較して算出したSMRは1.3(死亡率は一般人の1.
3倍)で、ワイスでは「RA患者の死亡率は一般人の1.5~2倍と報告されている
ことを考慮した場合にも、7091例での死亡例数は予想の範囲内と考えられた」
としている。