厚労省 診療所の再診料引き下げを提案、日医は断固反対
公開日時 2008/01/16 23:00
厚生労働省は1月16日、中医協・診療報酬基本問題小委員会に診療所の再診料
引き下げを提案した。現在診療所の方が病院より14点高く設定されているが、
患者の視点からみると、病院と診療所の機能分化(病院は入院、診療所は外来)
と連携を推進する効果が期待できないとの指摘があるため是正する。厚労省が
同日公表した「08年度診療報酬改定に係わるこれまでの議論の整理(案)」に
盛り込んだ。
次回18日に開催予定の基本問題小委で現時点の骨子としてまとめる予定。土田
武史会長は「再診料は次回で決めたい」と述べたが、診療側(日本医師会)は
断固反対の姿勢を示しており、不透明だ。
診療側の鈴木満委員(日医常任理事)は、再診料の点数格差は医療機関の機能
分化を誘導する意図があったとの経緯を説明し、「医療機関のバランスに不都
合をもたらす」などと、診療所の再診料引き下げのデメリットを訴えた。これ
に対し、支払側の対馬忠明委員(健保連専務理事)は「再診料を引き下げて得
られた財源を勤務医対策にまわしてほしい」と要望した。
一方、天本宏代理(日医常任理事)は、勤務医の負担軽減策として、診療所の
夜間延長を評価することについて、開業医が時間外の軽症者を請け負っても負
担軽減にはつながらないため、加算は必要ないとの姿勢を示した。