薬食審・医薬品第二部会 メルクのアービタックスなどの承認を了承
公開日時 2008/05/25 23:00
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は5月23日、メルクの大腸がん治療薬ア
ービタックス(一般名:セツキシマブ遺伝子組換え)とサノフィ・アベンティ
スの免疫グロブリン製剤サイモグロブリン(抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブ
リン)、ファイザーの抗菌薬ミコブティン(リファブチン)の承認を了承した。
6月下旬開催予定の薬事分科会を経て承認される見通し。
アービタックスは、EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんが
適応。優先審査品目に指定されている。競合薬は中外製薬のアバスチンだが、
アービタックスの適応が「EGFR陽性」に限定されているため、「対象患者はア
バスチンよりも若干狭まる」(審査管理課)。国内臨床試験では、サードライ
ンの位置づけで39例を対象にイリノテカンとの併用で実施した。承認条件とし
て全例調査の実施を義務付けた。
サイモグロブリンは、中等度以上の再生不良性貧血、造血幹細胞移植の前治療、
造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病を適応とする。希少疾病用医薬品で、
承認条件に全例調査が義務付けられた。世界72ヵ国で承認されている。
ミコブティンは、結核症とマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MA
C)症を含む非結核性抗酸菌症、HIV感染者における播種性MAC症の発症抑制が
適応。MAC症はHIVが進行し免疫力が低下すると感染しやすくなるため、05年10
月に開催された未承認薬使用問題検討会議でも早急に開発すべき品目にあげら
れていた。