住友ファーマ・木村社長 アムシェプリ「FY2026の上半期、1Qか2Q」の上市に期待 19日の審議見守る
公開日時 2026/02/18 04:53
住友ファーマの木村徹代表取締役社長は2月17日の「R&D説明会」で、厚労省薬事審議会の部会で同社の非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞・アムシェプリの承認の可否が審議されることに期待感を表明した。木村社長は、「自分たちではコントロールできない」と前置きしながらも、「FY2026の上半期、1Qか2Qで上市できるのでは」と期待を寄せた。また、住友化学との合弁会社「RACTHERA(ラクセラ)」で2030年代後半に再生・細胞医薬事業で最大3500億円の売上高を目指す目標も、パーキンソンや眼科プロジェクトが進行中と説明。生産供給体制についても、「パーキンソンについては確立しており技術的に心配していない」と強調した。
iPS細胞由来として初の再生医療等製品2剤が2月19日の厚労省薬事審議会再生医療等製品・生物由来技術部会で審議される。うち1剤は同社の非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞・アムシェプリ。もう1剤は大阪大学発バイオベンチャー企業のクオリプスが申請した虚血性心筋症による重症心不全を対象疾患とするヒト(同種)iPS細胞由来心筋細胞シートのリハートだ。
◎「どんな形で議論頂けるかを待っているだけ。当然自信はあるが、それ以上は分からない」
薬事審議会の部会審議を待つ心境を聞かれた木村社長は、「いろんな承認申請を経験してきた。いまはどんな形で部会において議論頂けるかを待っているだけ。当然自信はあると思っているが、それ以上は分からない」と答えた。木村社長はまた、「我々の期待通りにいくかどうかはまだ分からないが、恐らく条件及び期限付き承認になるのではないか」と述べ、上市のタイミングについては、慎重な言い回しながらも、2026年度上半期との見方を示した。
◎米国での開発 「これから精一杯米国の当局に説明していこうと思っている」
一方で米国での開発については、医師主導治験(非凍結細胞)および企業治験(凍結細胞)が始まったところと述べ、「(FDAの審査は)もう少し先になる」と強調。「審査において条件及び期限付き承認そのものも心理的なサポートになると思うが、それ以上に臨床でのデータが安全性を含めて積み上がってくる」と期待感を込め、「これから精一杯米国の当局に説明していこうと思っている」と意気込んだ。
◎アムシェプリは“ameliorate”(改善する)と太陽神“Khepri”(ケプリ)を掛け合わせたもの
木村社長はまた、商品名「アムシェプリ」も薬事審議会での審査の対象となるとし、アムシェプリは、「造語」だと明かした上で、“ameliorate”(改善する)という単語と、エジプトの太陽神の中の“Khepri”(ケプリ)を掛け合わせたものだと説明した。特に、ケプリは古代エジプト神話における「朝の昇る太陽」を神格化した太陽神で、創造と再生の象徴だという。
◎27年度は選択的メニン阻害剤enzomenibの日米承認から上市、PIM1キナーゼ阻害剤nuvisertibの承認申請
この日の説明会で常務執行役R&D本部担当R&D本部⻑兼Sumitomo Pharma America社CDOの佐藤由美氏は、中長期の研究開発目標を説明。2026年度は非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞・アムシェプリの国内の条件及び期限付き承認を踏まえて実用化を進めると強調。「第4相臨床試験を着実に進めたい」と述べた。2027年度はがん主要開発2品目のうち、選択的メニン阻害剤enzomenibの日米承認取得から上市、PIM1キナーゼ阻害剤nuvisertibの承認申請、2028年の上市を目指すとした。
2030年代前半は、「iPS細胞-PDプログラム」を米国で進展させるほか、DSP-0318(GABA A受容体PAM)やパーキンソン病の症状改善薬などCNSパイプラインを上市させると説明。さらに、「次世代のオンコロジー・CNSの品目、再生細胞医薬事業の拡大というように着実な歩みを進めて、弊社グループの価値創造サイクルの再構築に力強く貢献したい」と強調した。