【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

WJOG・中川氏 イレッサ、喫煙歴のある肺腺がん患者でも延命効果

公開日時 2008/07/07 23:00

NPO法人西日本がん研究機構(WJOG)・呼吸器委員会の中川和彦委員長(近畿
大学医学部教授)は7月4日、WJOGが開いた研究報告会で講演。イレッサが進
行性非小細胞肺がん(NSCLC)の「喫煙歴のある腺がん」患者で、延命効果を
示す結果が得られたと報告した。標準化学治療(白金製剤2剤)後の同剤の投
与(維持療法)で得られたもので、結果は6月30日から米シカゴで開かれた米
国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された。

これはWJOGが実施した進行性NSCLC患者約600症例に対する無作為化試験。標準
化学療法で治療後、イレッサを投与し、生存期間の延長(OS)、無増悪生存期
間(PFS)などを評価した。対象は臨床病期(3B/4期)で、3ヵ月以上の生存
が期待できる状態が比較的良い、前治療歴のない20~74歳の患者。標準化学療
法を3サイクルから6サイクル行った患者群(298人)と、3サイクル行った
後にイレッサを投与した患者群(300人)の2群に割り付けた。

腺がんと非腺がん、非喫煙者と喫煙者の患者群など背景因子の異なる患者で有
効性を比較する部分解析を実施。その結果、腺がんではイレッサ群でPFS(5.0
6ヵ月)、OS(15.4ヵ月)とも有意差が認められたのに対し、非腺がんでは有
意差がなかった。また、腺がんで喫煙歴がある患者ではPFS(4.54ヵ月)、OS
(13.6ヵ月)ともに有意差が確認された。
これまで同剤で高い効果を示す患者は、「喫煙歴のない腺がん」とされ、「喫
煙歴のある腺がん」は低感受性集団と位置づけられている。そのため、中川氏
は「今回の結果は大変な驚き。臨床家の間では『喫煙歴のある腺がん』患者に
イレッサを投与すべきか疑問があった。しかし、今回のデータは本剤が腺がん
患者に喫煙の有無とは関係なく有用なことを示しており、今後使ってもよいと
の方向に向く力がある」と述べた。
ガイドラインへの影響については、海外で進行中で間もなく公表される予定の
IPASS試験の結果と併せて、結果が反映される可能性があるとした。

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(0)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事


ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー