中医協・調査実施小委員会は11月19日、診療報酬改定の基礎資料として２年に
１回実施している医療経済実態調査（実調）の方法について見直す方針を固め
た。同調査は改定の前年に医療機関・歯科診療所・調剤薬局を対象に６月単月
分の経営状況について調査しているもの。年間の決算データでないため経営状
況の実態を掴みにくいことや、調査ごとに対象を抽出する方法で行っており定
点観測ではないため、前回との比較がしにくいなどが問題点として指摘されて
いた。

日医の中川俊男常任理事の提案によるもの。来年は、これまでと同様の方法の
調査と新たに検討した決算ベースによる調査の２本立てによる実施を提示。詳
細を詰めるために同委員会の下部に専門家からなるワーキンググループを設置
すべきとした。決算ベースで調査することについては支払側委員からも賛意の
声が上がったため、具体的に検討することとなった。ただ、来年の調査で採用
するかは今後の議論次第とした。

厚労省は「やれと言われれば最大限やるが、予算の制約とか作業量の制約もあ
る。今の段階で満足するものができるかと言われれば断言はできない」との見
解。佐藤敏信医療課長は終了後、すでに10年度改定に向けた調査の予算は財務
省と折衝している段階と説明し、内容を含めて変更するのは難しいのではとの
見通しを示した。