日本高血圧学会 高血圧治療GL2009を発表
公開日時 2009/01/18 23:00
日本高血圧学会は1月16日、「高血圧治療ガイドライン2009」(JSH2009)を
発表した。04年以来となる今回の改訂では、ここ数年間に国内外の学会で発表
された日本人対象の大規模臨床試験のエビデンスを降圧薬の選択基準に反映し
た。また、診療室以外で家庭血圧の高い、いわゆる「仮面高血圧」の病態が心
血管リスクを高めていることを踏まえ、初めて家庭血圧の降圧目標値を明示。
高齢者の家庭血圧の目標値は135/85mmHgとした。
降圧薬の選択にあたっては、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、βブロッカ
ーを第一選択薬とし、α遮断薬はエビデンス不十分との観点から除外された。
主要降圧薬5種類の併用療法については、過去の試験結果を踏まえ、利尿薬と
βブロッカーの組み合わせが推奨から外れた。
一方、降圧目標については、年齢と病態に応じた降圧目標に、家庭血圧の目安
を記載した。目標値は、いずれも診療室血圧の目標値から5mmHg低く設定した
もの。高齢者=135/85mmHg、糖尿病・CKD患者・心筋梗塞後患者=125/75
mmHg、脳血管障害患者=135/85mmHgとなる。また、75歳以上で収縮期血圧が1
60mmHg以上の場合は、150/90mmHgを中間目標として慎重に降圧するとした。
家庭血圧の測定方法について高血圧治療ガイドライン作成委員会の荻原俊男委
員長は同日の記者会見で、「毎朝・夜の血圧測定を1週間行い、その平均値と
する」との見解を示した。