第一三共は３月16日、サントリー医薬事業部を母体として引き継いだ研究開発
を中心に展開してきた子会社であるアスビオファーマを10年４月からグループ
内創薬ベンチャーにすると発表した。アスビオの持つ知財、後期臨床開発、製
薬技術研究、生産機能はグループ内に移管、創薬機能に特化させることで第一
三共とは異なる独自の研究を進めてもらい、グループとして研究開発力の強化
につなげたい考え。

アスビオは探索研究～前期臨床開発を行う会社となる。これに伴い周囲の研究
機関との連携した創薬研究ができる環境にするため、10年10月には、兵庫県神
戸市の「神戸医療産業都市」（ポートアイランド第２期）へ移転する。

自社開発品には「SUN　Y7107」（メマンチン塩酸塩、高度・軽中等度アルツハ
イマー型認知症、日本フェーズ３）。「SUN11031」 （ヒトグレリン、欧米＝
カヘキシア、フェーズ２、日本＝神経性食欲不振症、フェーズ２）、「SUN138
34」（キマーゼ阻害剤、アトピー性皮膚炎、米国フェーズ２）がある（開示さ
れているもののみ）。