武田薬品 グローバル組織変革で年2000億円超の削減効果 効率化費用は新薬上市など戦略的投資で吸収へ
公開日時 2026/03/26 04:53
武田薬品は3月25日、競争力強化と長期的成長を目的としたグローバル組織体制の変革を実行し、2028年度までに年換算2000億円以上の削減効果を見込むと発表した。4月1日付でエグゼクティブ・リーダーシップチームおよび組織体制を変更する方針で、これに伴う効率化費用は、次世代の主力品として期待するOveporexton(TAK-861)など複数の新薬上市や先進技術への戦略的投資として吸収させる。このため26年度に約1500億円の事業構造再編費用を計上する予定で、25年度通期決算発表時に公表予定の26年度連結業績予想に反映する考え。27年度および28年度はこれより低い水準の事業構造再編費用を計上する見込み。
◎次期CEOのジュリー・キム氏「略的なリソース配分の最適化と実行力の一層の強化」
次期CEOに就任予定のジュリー・キム氏は同日の取締役会での決定事項を踏まえてコメントし、「今回の取り組みは、戦略的なリソース配分の最適化と実行力の一層の強化を図るものだ」と強調した。これに先立ち同社は1月29日付けで、「スピード、競争力、将来の成長加速」を目的とした組織体制およびエグゼクティブ・リーダーシップチームの変更について発表した。いずれも事業年度開始日となる26年4月1日実施。効率化の影響の大半は日本国外としている。
4月1日付けで実施する組織変更は、①米国以外のすべての市場を直接統括する「インターナショナル ビジネス ユニット(IBU)」の新設、②「ストラテジー&ポートフォリオ デベロップメント(SPD)」の新設、③AIの更なる活用推進を含む変革を全社で連動させる「トランスフォーメーション オフィス」の新設―の3点。JPBU(ジャパン ファーマ ビジネス ユニット)は、IBUを通じて共通施策の実施や財務計画の管理を行い、これによりJPBUはこれまで以上にリソースを活用して、グローバルとの整合性が取りやすくなるという。なお、宮柱明日香氏はJPBUプレジデントと日本カントリーヘッドとしてビジネスを統括する。
SPDは疾患領域戦略とコーポレート戦略、ポートフォリオに関する意思決定、新製品企画、事業開発を統合し、連動性を向上させるというもの。
◎変革を通じてコーポレート機能を合理化「プロセスの簡素化で効率性をさらに向上」
グローバル組織体制の見直しについて同社は、「変革を通じて、コーポレート機能を合理化し、リーダーシップおよびチームがより患者さんや顧客に近くなり、また先進技術を活用してプロセスを簡素化することで効率性をさらに向上させる」と強調した。なお、変革に伴う合理化の詳細は、国や地域によって事情が異なるとして明らかにしていない。
一方で変革に伴う効率化費用(28年度までに年換算2000億円以上)は、次期主力品として期待の高い経口オレキシン2受容体選択的作動薬・Oveporexton、注射用ヘプシジンミメティクスペプチドRusfertide、次世代経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害剤Zasocitinibを含む複数の新製品の上市準備、後期開発パイプラインの推進、先進技術への戦略的な投資に必要な費用として概ね吸収できるとしている。