武田薬品 SYR-322の心血管系リスクの追加試験実施へ
公開日時 2009/03/26 23:00
武田薬品の長谷川閑史社長は3月26日、米FDAから心血管系リスクの統計的要
件を満たしていないと指摘されていた2型糖尿病治療薬「SYR-322」(一般名:
アログリプチン、米国承認申請07年12月)について、追加の心血管安全性試験
を行う考えを明らかにした。ただ、追加試験の実施時期は「プレかポストか、
いずれしないといけない。今、FDAとプロトコルのディスカッションをしてい
る」と述べるにとどめ、追加試験が承認前に必要なのかどうかを含めてFDAと
協議していることを明かした。同剤は武田薬品の次期主力品のひとつ。米国で
の審査終了予定日は6月26日。
ミレニアム買収発表(買収完了は08年5月)からほぼ1年が経ったことを機に、
東京本社で26日に開いたミレニアムの現況報告会「ミレニアム・デー」で語っ
たもの。長谷川社長がSYR-322の追加試験の実施に触れたのは、これがはじめ
て。
FDAはこれまでに、SYR-322の臨床試験データが08年12月に公示・施行された
「新糖尿病治療薬の心血管系リスク評価についてのガイダンス」の統計的要件
を十分満たしていないと指摘、武田薬品が追加試験を行う場合は協力する用意
がある旨を伝えていた。ただ、SYR-322の承認申請の1年後に公示・施行され
たガイダンスを受けた指摘のため、追加試験が承認の必要条件なのか不明な部
分が多く、今後の動向が注目される。