武田薬品 開発中のうつ病治療薬 米で来年申請予定が2年程度延期
公開日時 2009/06/08 23:00
武田薬品は6月8日、デンマークのルンドベック社から導入し、うつ病などの
治療薬を目指し欧米でフェーズ3にある「Lu AA21004」(一般名未定)につ
いて、最適な用量を確認するための追加試験を含めたさらなる検討が必要であ
ると両社で判断したと発表した。当初は米国で10年度中にも承認申請予定だっ
たが、追加試験には1年半~2年かかるという。そのため承認申請は「11年半
ば~12年ごろ」(コーポレート・コミュニケーション部)にずれ込むことにな
った。
発表によると、大うつ病を対象としたフェーズ3で、2.5mg、5mg、10mgの各用
量と、プラセボを対照に3本の試験を行った結果、2本の試験では2.5mg、5mg
では有意差がみられず、1本では2.5mgで有意差が見られなかった。ただ、5mg、
10mgでは有意差が認められた試験もあった。これら結果から両社は、最適用量
を探る追加試験などが必要だと判断した。
武田は、07年9月に気分障害・不安障害治療薬の米国と日本での共同事業化契
約を締結し、新規のセロトニン調節薬「Lu AA21004」を共同で開発してきた。
日本ではフェーズ1で申請予定時期は未定だが、今回の事態の影響について
「上市に向け最善の開発計画を策定中」(同)とコメントしている。