エンブレル、2年間投与で関節破壊の進行抑制9割 欧州リウマチ学会
公開日時 2009/06/15 23:00
発症2年以内の早期関節リウマチ(RA)患者に、エタネルセプト(商品名:エンブレル)+MTX(メトトレキサート)の併用療法を2年間継続すると、9割の患者で関節破壊の進行が抑制されることが分かった。10日からデンマーク・コペンハーゲンで開催された欧州リウマチ学会(EULAR)で「COMET」試験の結果として報告された。
COMET試験は、発症してから2年以内の早期RA患者411人を対象に、エタネルセプト+MTX併用群とMTX単独群について治療効果と安全性を比較した。主要評価項目は、寛解率(DAS28<2.6)、関節破壊の進行抑制(modified総sharpスコア(mTSS)変化≦0.5)。
その結果、寛解率は、エタネルセプト+MTXの併用を2年間継続できた群(111人)では57%で、1年目の50%を上回った。一方、MTX単独2年継続群(99人)では35%にとどまり、エタネルセプト+MTX併用群が有意に高い結果となった。
関節破壊の進行抑制については、エタネルセプト+MTX併用群で90%だったのに対し、MTX単独群では68%と、併用群で有意に高い結果となった。なお、重篤な有害事象については、両群に大きな差はみられなかった。
試験結果について試験の主席研究員であるPaul Emery氏は、早期RAでは関節破壊の進行度合いが大きいことから「早期RAの積極的な治療は、継続的な寛解をもたらす」と結論づけている。